今年もお世話になった奈良の柿。
初秋の刀根早生から晩秋の富有柿へと、その品種を変えながら柿のシーズンが続きます。概ね柿の旬は、秋から初冬にかけてと言われます。そろそろ今年も柿の食べ納めの時期が近づいてきました。
柿の胡桃白和え。
金胡麻に豆腐、さらには胡桃や青菜などを混ぜています。
大和真菜や大和菊菜などと合わせれば、それだけで贅沢な「奈良の味」が演出されます。白和えにマッチするのは、やはり甘柿ですね。富有柿や次郎柿で和えれば、得も言われぬ美味しさを楽しむことができます。
柿1個で一日のビタミンCを補給!健康果実の柿
柿が赤くなると医者が青くなると言います。
それだけ柿には豊富な栄養素が含まれています。果実100グラム中のビタミンC含有量は70ミリグラムで、柿を一日に一個食べれば必要なビタミンCがほぼ満たされるそうです。
タンニンの防腐効果もあって普及した柿の葉寿司ですが、柿の葉には果実の10~20倍ものビタミンCが含まれているようで、柿の葉茶などの健康食品も多く見られます。
大正楼中庭と柿の白和え。
山の辺の道沿いには多くの柿の木があり、蜜柑と共にハイカーたちの目を楽しませています。
柿は同じ品種であっても、気温の低い地方では糖度が低くなります。そのため東北地方の柿は糖度が低く、温暖な関西地方の柿は糖度が高くなります。温暖であればいいのかというとそうでもなく、九州南部などでは気温が高過ぎて甘味が減少します。これは果実の呼吸と共に糖の消費が進み過ぎることによります。
和歌山県や奈良県が柿の一大生産地であることも頷けますね。
浴室のガラス戸。
柿は天ぷらにしても美味しいですが、シャーベットなどもおすすめです。
粉ゼラチンや卵白、シロップなどと合わせれば、美味しい柿シャーベットの出来上がりです。
客室のデザイン。
伝統文様によく見られる「破れ文様」ですね。
連続文様の中に、わざと欠けた部分を混ぜています。調和したものを少し崩すのが日本人の美意識なのかもしれません。リズムを少し崩すことによって、見る者の注意を惹き付けます。
英語ではパーシモン(PERSIMMON)と言いますが、普通にKAKIでも通じます。
このパーシモンという言葉は、バージニア州のインディアンの「干した果物」を意味するようです。ちなみにアメリカの柿はとても渋く、干さなければ食べられません。
日本の柿は美味しい。
もっと言えば、奈良の柿は日本の柿を代表する味と言ってもいいでしょう。