奈良産の刀根早生を使ったお料理。
「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」ではありませんが、奈良は柿の名産地としても知られます。ハイキングロードで人気の山の辺の道沿いにも、たくさんの柿の木が植えられています。三輪神社や石上神宮の披露宴のお席でも、地元産の食材をよく使わせてもらっているのですが、秋はやはり柿ということで、柿の実をくり抜いた柿釜料理を作っておもてなし致しました。
刀根早生とイチジクの白和え。
イチジクもこれまた奈良産の片桐いちじくです。以前に大福餅の材料として使った片桐いちじくですが、とてもジューシーで美味しい無花果です。彩りとして緑色の野菜も必要かなと思い、とろっとした舌触りが持ち味のツルムラサキを選んでみました。
栄養豊富な柿料理
柿にはビタミンCやカロテンが豊富に含まれています。
血圧を下げるカリウムも含有していますから、高血圧に悩む人にはおすすめしたい果物です。
白菜の漬物などに柿の皮をいっしょに入れておくと、甘味が加わって美味しく仕上がります。柿の賢い利用法として覚えておきたいですね。
大神神社の結婚披露宴会場・料理旅館大正楼。
新郎新婦様の高砂席を上座に、参列者のお膳を整然と並べます。ご会食が始まる前の凛とした空気に包まれます。
刀根早生という柿は、平核無柿(ひらたねなしがき)の枝変わりです。
今回の白和えの材料には、カシューナッツやアーモンド等のナッツ類も加えています。胡麻の香ばしさに、さらなるコクが加わって、思わず顔がほころぶような美味しさです。
おまけに栄養価もアップしていますから、いいことずくめではないでしょうか。
みりんに漬けた柿を、脂ののったブリといっしょに頂くと、これまた驚くような美味しさが醸し出されます。
一介のフルーツに過ぎない柿ではありますが、その可能性は無限大に広がります。
デザートには梨のゼリーをお出し致しました。
程よい甘さの白ワインゼリーの中に、梨、ぶどう、四角豆などを入れてみました。その形状が目を引く四角豆ですが、淡白な味のためか、どんな料理にもよく合います。