昨年末に訪れた大淀町。
国道169号線の芦原トンネルを抜けた先に、大淀町の道の駅があります。
吉野杉の温もりを活かした『道の駅吉野路大淀iセンター』です。
道の駅吉野路大淀iセンター。
屋根から突き出た2つのトップライトに注目です。実はこのデザイン、修験者の被る小さい頭巾に由来しているようです。
瘴気に触れるのを防ぐ頭巾(ときん)
『頭巾』と書いて、「ときん」と読みます。
そのまま「ずきん」ではないんですね。修験者のかぶる布製の小さい頭巾のことで、山伏の格好を思い出せば分かります。
修験者が山中で修行する際、瘴気(しょうき)に触れるのを防ぐためにかぶるようです。
瘴気(しょうき)とは熱病の原因と考えられた山川の毒気のことで、早い話が悪い水や空気、土地のことを意味しています。マラリアやコレラの原因とされましたが、現代の文明社会では遠い昔の話です。とは言え、全面的に否定することも出来ないでしょう。少なくともその一因にはなっているはずです。修験者にとっては必須アイテムであり、頭巾をかぶれば瘴気を防ぐことも出来たのだと思います。
道の駅の物産品コーナー。
木の温もりを感じさせるコースターが並びます。
この他にも大淀町栽培のお茶、自然薯を使った手作りこんにゃく、風味豊かなバナナケーキなどが売られていました。
レストランも併設されており、その名もズバリ「ときん」です。吉野路幕の内弁当や番茶ソフトクリームなど、地元産食材のグルメが人気でした。
実際の頭巾(ときん)は黒色の布でできており、十二因縁にちなんで12の襞(ひだ)を設け、細長い紐で顎先(あごさき)に結び留めます。
十二の迷いの元を諭したという仏陀。
十二縁起とも呼ばれる仏教用語ですが、修験者の ”ときん” に12のヒダが付いていることを知る人は少ないでしょう。マイカーで吉野方面へ向かえば、かなりの確率で吉野路大淀iセンターを通ることになります。吉野路ならではの外観に目を奪われますね。
基本的に火曜日がお休みのようです。あなたも是非、ときんデザインが目を引く道の駅に立ち寄ってみましょう!
【奈良県内の道の駅案内】