聖徳太子建立の四天王寺!引導の鐘で影向

飛鳥や斑鳩を中心にその足跡を辿る聖徳太子。

奈良のイメージが強い聖徳太子ですが、斑鳩の法隆寺の他にも、大阪天王寺にある四天王寺を忘れてはなりません。聖徳太子建立という点では、法隆寺と四天王寺は間違いなく双璧を成しています。

聖霊院奥殿

四天王寺の聖霊院(太子殿)奥殿から五重塔、金堂、講堂を望みます。

聖霊院の前殿から渡り廊下でつながっている奥殿は、まるで斑鳩にある法隆寺夢殿を思わせます。奈良県民の私にとっては、四天王寺境内で最も聖徳太子の影を感じた場所です。

四天王寺を望むハルカス展望台
あべのハルカス誕生によって、にわかに活気付く天王寺界隈。 あべのハルカスと四天王寺、あべのハルカスと天王寺動物園といった具合に、新旧入り混じる魅力的なエリアに生まれ変わっています。 ハルカス300(あべのハルカス展望台)から四天王寺を望みま...

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ご本尊は救世観音菩薩像!日本仏法最初の官寺

四天王寺の伽藍配置。

中心伽藍の仁王門、五重塔、金堂、講堂は南北一列に並んでおり、四天王寺式伽藍配置として知られます。

金堂の中には四天王寺のご本尊である救世観音菩薩像が安置され、その四方を四天王像が守っています。救世観音菩薩像が座っておられる台座を見ると、すぐに法隆寺の釈迦三尊像の台座が頭をよぎりました。その形が、とてもよく似ているのです。飛鳥仏の影響がこんなところにも感じられます。

聖徳太子の鐘

四天王寺の極楽門よりもさらに西、重要文化財の石の鳥居近くにある聖徳太子影向引導の鐘

引導の鐘の近くに「引導石」と呼ばれる聖石があります。

この鐘を三度衝くと、引導石に聖徳太子が現れて極楽浄土へ導かれるという伝説が残されています。聖徳太子が出現する・・・聖徳太子が影向するという伝説から、寅の年、寅の日、寅の刻に信貴山に出現した毘沙門天を思い出しますね。

信貴山で仏教排除派・物部氏との戦いにおける勝利を毘沙門天に祈願した聖徳太子。この時に影向したのは戦いの神様・毘沙門天ですが、四天王寺建立の経緯にも、物部氏との間の争いで、仏教擁護にかける太子の思いが詰まっているだけに、影向や出現という言葉には反応してしまいます。

JR万葉まほろば線三輪駅

JR桜井線の切符と三輪山。

四天王寺へアクセスする際、JR三輪駅から桜井駅まで出て近鉄電車を利用することに致しました。JR万葉まほろば線三輪駅から桜井駅までの運賃は140円。三輪駅のプラットホームから三輪山を遠望します。

三輪山の麓にも、聖徳太子創建の三輪山平等寺があります。

酔芙蓉の名所として知られる飛鳥の橘寺は、聖徳太子の生誕地とされます。

聖徳太子ゆかりのお寺がいかに多いか、そのことを改めて感じます。

四天王寺五重塔

四天王寺の五重塔。

度重なる戦火や天災による焼失を繰り返してきた五重塔です。

現在の五重塔は昭和34年に再建されています。実に8度目の再建とのこと。建造物としては、世界最古の木造建築物と讃えられる法隆寺五重塔には遠く及びませんが、再建にかけた人々の強い思いの感じられる立派な宝塔です。

四天王寺聖霊院

聖霊院の前殿と奥殿。

日本最古の本格的仏教寺院といえば、奈良の飛鳥寺を思い浮かべます。

しかしながら、この四天王寺も推古天皇元年に当たる593年に建立されています。日本仏法最初の官寺と言われる所以です。西暦年代だけを見ると、飛鳥寺創建が596年ですから、四天王寺の方が歴史が古いということになるのかもしれませんね。

毎月22日には、聖徳太子会、観音供会(太子殿・奥殿)が催されます。

中心伽藍の拝観料は300円。

交通機関はJR・地下鉄天王寺駅、近鉄あべの橋駅下車北へ徒歩15分となっています。

四天王寺紙衣堂!病気平癒の羅漢
病気平癒の羅漢さんを祀る四天王寺萬燈院(紙衣堂)。 読み方は「紙衣堂(かみこどう)」。 紙衣堂の羅漢は五百羅漢の一人で、難病に苦しみながら紙の衣を着て修行に勤しんだと伝わります。病に苦しむ人々を救うために誓願を立てた偉いお方です。 四天王寺...
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