啓蟄の日の3月5日、大神神社の境内を歩いて参りました。
季節を彩る獅子頭の花が、大神神社の結婚式会場である儀式殿の前に開花していました。初詣のシーズンにも咲いていた獅子頭の花ですが、開花時期も結構長いようですね。
獅子頭と大神神社儀式殿。
濃紅色の八重咲きです。
寒椿系の獅子頭は、山茶花と椿の園芸交配種で、どちらかと言えば山茶花(サザンカ)に近い品種であると言われます。
一枚一枚花びらが散る獅子頭!時を刻み続ける結婚生活
儀式殿前から宝物収蔵庫の前を通り、坂道を下ります。
大美和の杜へ上がって行かずに、さらに坂道を下って行くとオオタタネコ神社(若宮神社)があります。
若宮神社。
4月9日に行われる若宮神幸祭まであと一カ月余りですね。
若宮さんを訪れると、いつも聖林寺の国宝である十一面観音像を思い出します。かつてはここ若宮さんに安置されていた仏像であることをご存知の方はそう多くはないのではないでしょうか。
本堂向って右側には吉野の桜、左側には飛鳥の橘が植えられています。
若宮社の鳥居の手前に鎮まる「おだまき杉」。
大神神社の御神木として知られます。
獅子頭の花弁は一枚ずつ散ると言われます。
椿のようにボトッと花が落ちるのではなく、一枚ずつ落ちていく様子には奥ゆかしさが感じられます。
二人の未来を誓い合う場所にふさわしい花ですね。
大神神社の結婚式のしおりに記されている人生儀礼。
結婚の祝いから始まって、結婚記念日の祝い、出産の祝い、お宮参り、七五三の祝い、成人の祝い、厄祓い、長寿の祝いと続いていきます。一つ一つの人生の節目を確認し合いながら、お互いに幸せを紡いでいって頂きたいと思います。
参集殿から祈祷殿へ下りて行く場所で工事が行われていました。
どうやら車椅子対応型エレベーターが設置されるようです。世界でもかつて見られなかった高齢化社会を迎える日本。神社境内のバリアフリー化は自然の流れなのでしょう。
エレベーターの完成予想図です。
なるほど、こんな感じになるんですね。
獅子頭の花びらが一枚一枚散っていく様子を、齢を重ねていく私たちの人生と重ねます。少しずつではありますが、確実に刻み続ける時間を誰と一緒に過ごすのか?結婚は大きな決断の一つであることを改めて感じます。