FBI超能力捜査官のジョー・マクモニーグル氏も訪れたという桜井市のパワースポット。
等彌神社は神武天皇の金鵄・八咫烏伝説に彩られた紅葉の名所です。
神武天皇の大和平定に貢献したと伝わる金色の鵄(とび)が描かれていますね。
光を放った鵄(とび)に、道案内をした八咫烏(やたがらす)。
鳥見山の霊畤拝所!万葉歌の跡見山
金鵄と八咫烏。
ダブって解釈されることも多い神武東征のエピソードですね。
舞台は国の始まりに遡ることもあってか、とにかく謎めいていて面白いですよね(^-^)
等彌神社の土偶。
社務所の受付窓口に置かれていました。
八咫烏(やたがらす)を模した土偶なんだそうです。
境内奥にある霊畤(まつりのにわ)拝所。
神武天皇は橿原宮に即位後、自ら鳥見山に霊畤(まつりのにわ)を立てました。
皇祖天津神を祀り、大孝をのべられた場所とされます。
日本書紀には、神武天皇が農業を奨励し、生産物が稔ったことを神々に報告するために産物を供え、それらを神々に祀られた所と記されています。
マクモニーグル氏が訪れたというのも頷けますね。
桜井市内のパワースポットとしては、大神神社と双璧を成す社ではないでしょうか。
大和平定と建国の大孝を祈る大嘗会の初舞台となった等彌神社。
境内には万葉歌碑や佐藤春夫、堀口大学の句碑などがあり、アカデミックな文学の森としても親しまれています。
等彌神社の例祭として、毎年8月19日に催される大学百合祭りはよく知られるところです。
堀口大学ゆかりの百合にちなんだ祭りなんですが、そう言えば、夏に参拝したときに奇麗なオニユリの花が咲いていたのを思い出します。
霊畤拝所の横に万葉歌碑が建てられています。
うかねらふ 跡見山(とみやま)雪の いちしろく
恋ひば妹(いも)が名 人知らむかも
徳川宗敬の書による万葉歌碑ですが、歌の意味はこうです。
鳥見山に降り積もった雪のように、はっきりと人目に付くような恋の態度を示したら、人びとは私の恋人の名を知ってしまうだろうか。作者は残念ながら不明ですが、雪の降り積もった鳥見山の情景が目に浮かびます。
「うかねらふ」とは、漢字に直すと「窺狙ふ」に通じ、文字通りうかがいねらうことを意味しています。
狩りをする際に、鳥獣の足跡をうかがいねらうことから、跡見山(とみやま)に掛かる枕詞となっているようです。万葉集の歌の中には「跡見(とみ)」という名詞が出てきますが、跡見とは狩猟のときに鳥獣の通った跡を見て、その居場所を考えること、あるいはその人を表します。
JR桜井駅から忍坂街道、伊勢街道へ向かう途中に跡見橋という橋が架かっていますが、鳥見山との歴史的つながりが垣間見えます。
霊畤へ通じる山道。
鳥見山は狩猟の行われていた山だったのでしょうか。
「跡見山(とみやま)雪の いちしろく」のいちしろくは、形容詞の「著(いちしる)し」を意味します。現代語では「著しい」と濁点でにごっていますが、古語の世界では「いちしるし」なんですね。
「しるし」は「白し」と同じ意味を持ちます。
明々白々と申しましょうか、恋の告白とでも言いましょうか、色に対する認識が不変であることに感じ入ってしまいます。
パワースポットの等彌神社は、実に懐の深い聖地です。