下ツ道と伊勢街道の交差する八木札の辻。
歴史の香る八木札の辻から南へ少し行った所に、特徴的な虫籠窓を持つ深瀬家があります。
下ツ道に東面する商家で、昔は木綿問屋を営んでおられました。このまま下ツ道を真っすぐ北へ進めば、奈良の都に行き着きます。札の辻交流館のガイドさんによると、下ツ道はちょうど今の御堂筋のような太い道であったと言います。
深瀬家。
立派な虫籠窓ですね。
通常の虫籠窓は、縦のサイズがもっと小さいものですが、随分縦長に設計された虫籠窓です。
八木札の辻交流館で見学!谷三山の書
2012年秋に催されたHANARART八木札の辻会場。 奈良にゆかりのある人物として、幕末に活躍した谷三山のことをご存知の方も多いのではないでしょうか。谷三山は江戸時代後期の儒学者で、幕末の混乱期に尊王攘夷を説き、あの吉田松陰も教えを請った...
鉄キューブのアート作品!深瀬家の土間
デザインが確かに虫籠を思わせます。
私も小さい頃は、捕獲した昆虫を虫籠に入れて籠の外から虫の動きを観察したものです。
深瀬家の土間に足を踏み入れると、鉄のキューブを使ったアート作品が展示されていました(2012年11月)。
「CROSS ROAD」と題する作品で、アルファベットの文字が畳や壁面に映し出され、幻想的な光景を醸し出していました。まさにここは異次元空間です。
上り口に名刺が置いてありました。
この作品の作者は、京都在住の彫刻家・谷口和正さんとおっしゃる方のようです。
下ツ道沿いには、深瀬家の他にも魅力的な古民家が建ち並びます。
今回のHANARARTでも、旧多田新聞舗や旧植田折箱店などが展示会場になっていました。細切れの時間を利用してのHANARART見学だったため、当日はあまり時間が無くて駆け足での訪問になってしまいましたが、本当はもっとゆっくり深瀬家の土間で時間を過ごしたかったです。
そう思えるほどの素敵な空間が演出されていました。