率川阿波神社の初えびす

奈良市本子守町に鎮座する率川神社。

率川(いさがわ)神社は、桜井市にある大神神社の境外摂社に当たります。姫蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)を祀り、初夏の三枝祭(ゆり祭)で知られます。お正月も三箇日を過ぎ、仕事を休んで奈良まで足を運んで参りました。

率川阿波神社

率川阿波神社の鳥居。

率川神社の鳥居をくぐると、すぐ右手に鎮座しているのが率川阿波神社です。初えびすの準備が着々と進められているようでした。「率川初戎」と書かれた提灯の上部には鯛のイラストが!見るからにおめでたい赤い鯛ですね。

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奈良で最も歴史のある福徳成就の祭り!『率川初戎』

かの『延喜式神名帳』には、率川坐大神御子神社(三座)と記される率川神社。

一間社春日造の本殿は三殿から成ります。

中殿の姫神を挟み、左右には御父神と御母神が鎮座します。子守明神と呼ばれる所以であり、鎮座地の住所も本子守町(ほんこもりちょう)となっています。

率川神社

道路沿いに鎮まる率川神社。

さらに南へ進むと、裸地蔵で知られる伝香寺があります。

初えびすのテント

境内にはテントが張られ、祭事の準備が進んでいました。

テント向こうの瓦屋根の建物は率川神社の拝殿です。

初えびすの看板

率川阿波神社の鳥居横には、初えびすの看板が立っていました。

同じ奈良市内でも、南市恵毘須神社に比べれば人出も少ないでしょうか。西宮恵比須などで催されているのは十日えびすですよね、こちらでは一足お先に福が授けられるようです。

提灯の鯛

めでたい!

三輪山の麓の恵比須神社でも初えびすが催されます。でも、時期的には2月の初めですよね。陰暦を元にしているんだと思いますが、やはり1月の初めに行われると勢いが違います。

率川阿波神社の案内板

率川阿波神社の案内板。

  • 御祭神 事代主神
  • 御例祭 6月17日
  • 初戎祭 1月5日

この御社は平安時代の「延喜式」にも記され、御祭神・事代主神は本社の大物主大神の御子神で、俗に恵比須様と申し上げます。

社伝によると宝亀2年(771)藤原是公が夢のお告げにより阿波国より勧請したと伝えられています。

1月5日の初戎祭は奈良で一番古い福徳成就の祭で、商売繁盛をはじめ生活守護の神様として多くの参拝者で賑わいます。

率川神社のゆずり葉

率川神社のゆずり葉。

御鎮座1400年記念植樹と案内されています。

お正月の飾りでよく使われる譲葉(ゆずりは)ですが、縁起物としても珍重されます。ゆずり葉は春になると枝先に若葉が出ますが、前年の葉がそれに譲るように落葉します。このことから、親が子を育てて家が代々続いていく様子に見立てられます。

率川神社のゆずり葉

ゆずり葉と初戎の幟旗。

親子の神様を祀る率川神社にはよく似合います。

初戎の提灯

向き合う鯛の間に描かれる黄色いものは何でしょうか?

う~ん、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら教えて下さい(笑)

急な雨への備えでしょう、ビニール袋が被せられていました。

率川阿波神社の初戎

開運厄除の初えびす。

吉兆福笹が授与され、甘酒の接待もあるようです。

私が訪れたのは1月4日の午前中です。午後3時からは宵宮祭が執り行われる予定です。翌5日の午前10時30分からは本宮の初戎へと続きます。

率川神社絵馬と大神神社遥拝所

境内の片隅に率川神社の絵馬が掲げられていました。

よく見てみると、その図案は三輪山麓を描いたもののようです。神武天皇とのささゆり伝説が色濃く反映されていました。毎年初夏になると、大神神社のささゆり園には可憐なささゆりが開花します。ささゆりと姫蹈鞴五十鈴姫、そして姫を見初めた神武天皇の物語・・・。

率川神社の絵馬

率川神社の絵馬。

良縁祈願の絵馬のようです。

今は橿原神宮の御祭神となった神武天皇ご夫妻が向き合うシーンです。背後に見えている山は、おそらく神奈備・三輪山でしょう。

率川神社の絵馬

三枝祭の巫女の舞い。

ここにもシンボルのささゆりが描かれています。

率川神社の絵馬

神社の絵馬を見れば、その由緒が偲ばれるというものです。

いずれもお美しい7人の女性に見えますが、神武天皇にしてみれば、その中の一人しか目に入らなかったのでしょう。

大神神社の遥拝所

境内の蛙石の左手に、大神神社の遥拝所が設けられていました。

数年前にお参りした時には無かったものです。

ちょうど南方からの光が燦々と降り注ぎます。

大神神社の遥拝所

注連縄に紙垂が垂れ下がります。

大きな一枚の壁が出現していました。壁の真ん中上方には三輪山が描かれています。

三輪山

三輪山です。

言わずと知れた、大神神社の御神体。

ここ率川神社とも、切っても切れない関係にあります。手前に広がるのは井寺池でしょうか。

率川神社

拝殿方向へ振り返ります。

うん?これはいわゆる二つ連なる連理の木?

率川神社

拝殿に掛かる提灯には、十六菊花紋がデザインされています。

大神神社の遥拝所に出会えるとは思ってもみませんでした。

率川神社から見ると、遥か南方に大神神社は鎮座します。6月17日の三枝祭の際には、大神神社のささゆりがJR万葉まほろば線に乗って率川神社まで届けられます。親子関係にある両社の深い絆を再確認するイベントとなっています。

率川神社の門松

お正月らしく、門松が玉砂利に埋められていました。

こういう飾り方もあるんですね。

本宮祭の様子を拝見することは出来ませんでしたが、こうして準備風景を見学するだけでも十分です。心ならずも新年の福を分けて頂いたような気が致します。