事代主神を祀る大行事社!大神神社末社

意外と知られていない大神神社の末社。

三輪坐恵比須神社から東へ登って行くと、ちょうど突き当たりに大行事社が鎮座しています。道中右側に三輪山平等寺を見ながら、そのまま真っすぐ100mほど坂道を登り大行事社に到着します。

大行事社

大神神社末社の大行事社。

このお社の御祭神は、恵比須さんで知られる事代主神です。

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高所に祀られる託宣の神!三輪山平等寺の上手

毎年2月6日には例祭があり、三輪そうめんの相場の神様として知られます。

山の辺の道のルート上にある平等寺からさらに東へ登って行くと、人気の感じられない寂しい場所へと続きます。そんな場所に行事社はひっそりと佇んでいます。ちなみにこの坂道をさらに登って行くと、春日社(大神神社末社)へと至ります。

大行事社

大行事社。

私はすぐ下手の三輪小学校に通っていましたが、さすがに大行事社のあるこの辺りまでは登って来ることがありませんでした。

幼いながらに、何やら行く手を阻む雰囲気を感じ取っていたのかもしれません。

事代主神は大神神社の御祭神である大物主神の御子とされます。

釣り竿や鯛と共に描かれるエビス様のイメージから、商売繁盛の神のイメージが強い事代主神ですが、事代主神は言代主神(ことしろぬしのかみ)とも書き、神様の言葉を授かるインスピレーションの神様としても知られます。託宣の神と言われる所以ですね。

出雲の国譲りに真っ先に恭順したのが、他ならぬこの事代主神であったと伝わります。

父である大国主神に成り代わり出雲の国譲りを受け入れたのも、事代主神が神の言葉を代弁する役割を担っていたからに他なりません。三輪そうめんの相場を決めるに当たっても、託宣の神に委ねる慣習が続いているわけですね。

大行事社の案内板

御祭神のところに加屋奈流美神(かやなるみのかみ)が名を連ねています。

奈良で加屋奈流美神と言えば、飛鳥川上流の栢森に鎮座する加夜奈留美命神社を思い出します。加夜奈留美命神社も人気の感じられない、ひっそりと静まった場所にあります。

まさしく此処に神が居る、そんな雰囲気の感じられる場所です。

「かやなるみのみこと」の漢字表記には様々なものが見られますが、賀夜奈流美命は大国主神の娘とされます。父である大物主神を祀る大神神社の懐に抱かれるように、ここ大行事社にも祀られる賀夜奈流美命。

賀夜奈流美命は、高い場所から下界を照らす神とも言われます。

飛鳥や三輪に祀られる賀夜奈流美命の鎮まる場所を見れば、誰もが納得してしまいます。賀夜は高屋(たかや)を、奈流は「~にいます」を意味し、美は比売(ひめ)を表しているという説もあります。

平等寺

大行事社の祠手前から、下手にある平等寺の堂宇を見ます。

下界を照らす神。

高い場所に鎮座する大行事社からは、遥か西に広がる大和平野を見下ろすことができます。

大行事社

大行事社は三輪坐恵比須神社の元宮とされます。

出雲の国譲りの場面で釣りをしていたと伝えられる事代主神には、海との密接な関係が感じられます。日本最初市場の海柘榴市は初瀬川の畔に位置し、そのまま海へとつながっていたことを考え合わせると、益々事代主神への興味が湧いてくるのです。

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