狭井神社の鳥居脇から山の辺の道に入り、一路檜原神社を目指して歩いて行きます。
月山日本刀鍛錬道場記念館の前を通り、大神神社末社の貴船神社にお参りをして、さらに山裾を縫うように進みます。玄賓庵へと右折する曲がり角に、何やら赤い看板が見えました(2013年9月)。
特定猟具使用禁止区域の看板。
英語表記も見られますね。Certain Hunting Equipment Prohibited Area と書かれています。
猪や鹿も棲む三輪山
此処は神体山の三輪山です。心穏やかに神様との御縁を感じたい場所ですから、使用禁止区域に指定されているのも頷けます。
玄賓庵の境内に開花する芙蓉。
檜原神社の手前に佇む玄賓庵。
お不動さんの石像で知られるお寺ですが、お彼岸過ぎのちょうど今頃は芙蓉の見頃を迎えているのでしょうか。飛鳥の橘寺の芙蓉はつとに有名ですが、こちらの芙蓉もなかなか見ごたえがありました。
山の辺の道の道標。
特定猟具使用禁止区域の看板下に立ちます。ここから坂道を登って行くと、程なく玄賓庵へとアクセスします。玄賓庵と言えば、鶏頭の花を思い出します。鶏のトサカに似て見た目が印象的な花ですが、以前に玄賓庵を訪れた時にカメラ撮影した記憶が蘇ります。
鶏頭(ケイトウ)の花です。
山門を入った左手の大師像の横に咲いていました。
玄賓庵へと続く坂道で、こちらを睨み付けるカマキリを発見しました。
その勇ましい格好から、昆虫界のハンターを思わせます。私の幼少時代には、カマキリとショウリョウバッタがたくさんいて、昆虫採集の格好の標的になっていたものです。昨今ではやはり、その数も減少傾向にあるのかもしれませんね。
大神神社儀式殿から狭井神社へと通じる「くすり道」の手すりに、蟷螂(カマキリ)の姿を捉えたことを思い出します。行く手を阻むカマキリの上を通り越して、元伊勢の檜原神社へお参りし、桧原神社の鳥居から箸墓古墳を見降ろしながら西へ下り、茅原の集落を抜けて帰路に着きます。
檜原神社の下手にヒガンバナの群生を見つけました。
のどかな三輪山麓を散策しながら、銃声のしない幸せを噛み締めるのでした。
三輪山には猪や鹿も棲んでいると言います。安易なハンティングを規制する意味でも、冒頭の赤い看板が役立っているのではないでしょうか。