春の講社崇敬会大祭が催される前日、大神神社にお参りしました(2013年3月)。
私は仕事柄、イベント当日にどうしても外出することが叶いません。
その代わりに、イベントの準備風景には運よく出くわします。全国各地より数多くの講社・崇敬会員が祭典に参列する祭りとあって、その最終チェックにも余念がありませんでした。
拝殿の斎庭。
その手前の注連縄に、新しい紙垂(しで)が掛け替えられていました。
俗界と神域を隔てるボーダーラインに見られる注連縄と紙垂。
むすびの鈴行!清々しい空気に包まれる大神神社の祭典
文字通り紙が垂れている状態の紙垂(しで)。
桜の開花のニュースが日本列島を賑わせていますね。枝垂れ桜の「しだれ」と、結界に垂れ下る紙垂の「しで」は同じ語源に属します。「垂れ下がる美」とでも言うのでしょうか、たおやかに頭上に垂れ下がるものに、私たちは自然と親しみを覚えているような気がします。
紙垂の掛け替え作業。
今年は伊勢神宮の式年遷宮の年に当たります。
20年に一度、新たなものに造り替えるという大変なお仕事です。神社には、常若の精神が尊ばれると言います。常に若く居続ける常若(とこわか)という言葉の響きに瑞々しいエネルギーを感じます。
若さを保つ努力は、人間に限ったことではないんですね。
式年遷宮に比べれば、ほんの小さなお仕事だとは思いますが、祭事の前の紙垂の掛け替え作業も、その源を辿れば常若の精神にさかのぼっているのではないでしょうか。
祈祷殿の向かって右側では、千本杵餅つきの準備が整っていました。
巫女さんたちが右に左にと、忙しそうに走り回っておられます。
信仰の輪が広がる春の講社崇敬会大祭。
大神神社社務所発行の「かぎろい」3月号の記事を以下に抜粋させて頂きます。
祭典では、「みわ鈴」を自身の手の中に包み込み、心を込めて振り鳴らす「むすびの鈴行」が奉仕され、続いて「大祓詞(おおはらえのことば)」「神拝詞(しんぱいし)」「いのりの詞(ことば)」を、宮司にあわせて全員で唱和し、殿内には清々しい空気が張りつめます。
また、この祭典にあわせ、祈祷殿前では、青年会の和太鼓の奉納演奏、振る舞い酒、バザー店など多くの催し物が行われ、参拝者を楽しませてくれます。
大神神社のお守りとして、以前に購入したみわ鈴を思い出します。
春の講社崇敬会大祭では、私の手元にある「みわ鈴」が活躍するのでしょうか。おそらく同じものだと思われますが、鈴の音には神様と人とを結び付ける不思議なチカラがあることだけは間違いなさそうです。
数年前に大神神社社務所から連絡があり、講社崇敬会の会報誌に掲載して頂いたことも思い出します。皆それぞれに三輪さんとご縁を結び、日々の生活の中で活かしています。
祈祷殿前。
いつもとは違った光景に、イベント前日の緊張感が漂います。
大神神社参道の馬酔木。
二の鳥居をくぐって、拝殿へ向かう参道の左脇に馬酔木の花が咲いていました。
参拝の作法として定着しているのでしょうか、参拝客のほとんどが左側通行の暗黙のルールに従います。
拝殿へ続く石段を上って行くと、紙垂の掛け替え作業が行われていました。
神様とのご縁を結ぶ前に手水舎で身を清める私たち。常に新たな状態にして神様の前に進み出るのは、人も道具も同じことのようです。
幟旗が祭りの雰囲気を煽ります。
振る舞い酒もあるんですね。
さすがにここは酒の神様として仰がれるお社です。
千本杵餅つきの文字が見えます。
やはりおめでたい日にはお餅ですね。吉日にお餅は日本人の定番です(笑)
春の講社崇敬会大祭の2日目には、大神神社の摂社・玉列神社に於いて椿まつりが催されます。慈恩寺の境内にあった巨木が印象に残っていますが、改めて大神神社の境内の広さに気付かされます。
当館では、春の講社崇敬会大祭に合わせて数組のお客様にご宿泊頂きました。
遠隔地からイベントに参加される信者様のお宿としてもご利用頂いています。