焼き網の上で転がしながらナスを焼く。
焦げた匂いが厨房に広がり、その香ばしさに食欲がそそられます。
大神神社の結婚披露宴のお席に、焼きナスの煮浸しを一品料理としてお出し致しました。
唐辛子とツルムラサキの新芽をあしらって盛り付けます。
花が付いたつるむらさきの新芽は、そのかわいらしい出で立ちで見る者の心を奪います。
なんだか縁起も良さそうなので使ってみることにしました。鰹と昆布をベースにした冷たいお出汁に浸して味を含ませます。一度焼いて水分を抜いているだけに、その味の染み込み具合が何とも言えません。最高に美味しいナス料理です!
生育良好のナス紺で選別
おいしい茄子の選び方ですが、色艶の良いものを選ぶようにしましょう。
皮に色艶と弾力があり、はちきれそうな重みを感じる茄子が良品です。茄子独特の濃い紫色は茄子紺(なすこん)と呼ばれ、色の濃いものほど日光をしっかり浴びて生育した印です。
大神神社結婚披露宴会場の大正楼大広間。
50名様収容の会食会場ですが、少人数でご利用頂くこともございます。
高砂席の背後に装花を添えて、お二人の門出を祝います。
細魚(サヨリ)の木の葉造り。
細長くてスマートな姿をしているサヨリ。
細長い体形の魚は、秋刀魚などもそうですが、木の葉の形に似せて引くと見栄え良く仕上がります。
細魚が入荷したら、まずは内臓を取り除くことが肝要です。細魚の内臓は傷みが早く、その内臓を包む黒い粘膜も苦味があるので早めに取り除きます。サヨリの腹の中は黒いので、腹黒い人の例えに使われることもあります(笑)
普段は後ろの掛軸が見えなくなるほどの大きい金屏風を立てますが、今回は新郎新婦様からのリクエストもあり、低い金屏風を立てかけます。
秋茄子は嫁に食わすなという諺がありますよね。
古くから日本に言い伝えられる諺ですが、その言葉の解釈には様々なものが見られます。
まずは美味しい秋ナスはもったいないから、憎らしい嫁には食べさせるなという文字通りの解釈です。
嫁姑戦争勃発?を感じさせるわけですが、嫁と姑の仲は古来より変わらぬものがあるようです。良い意味で解釈するなら、秋茄子は体を冷やすから大事な嫁には食べさせるなというものがあります。ただでさえ、冷え性に陥りがちな女性の身体です。ましてや大切な嫁のことを思えば、体を冷やす効果のある秋茄子など食べさせられないといったところでしょうか。
さらには秋茄子は種が少ないから、子種が出来なくなるという心配から生まれた諺だとする説もあります。
果たしてどれが本当の意味なのでしょうか(笑)
そもそも「嫁」という言葉は「良い女」に由来しているとも言います。一家にとって大切な嫁を思いやる諺であることを願いたいですね。
夏から秋にかけて旬を迎える茄子。
焼きナスの煮浸しでは皮を剥いて料理しますが、茄子の皮には紫の色素であるナスニンが含まれています。ナスニンは動脈硬化やがん予防にも効果を発揮すると言いますから、茄子の皮も捨てたものではありません。
そもそも茄子はインド原産の野菜です。
中国経由で7~8世紀に日本に伝わったと言われます。栽培歴が長いこともあり、今も全国各地で様々な種類の茄子が栽培されています。大和伝統野菜の大和丸茄子なども、当館ではよく宿泊プランの中でお出ししています。