八釣マキト古墳群の中でも一際大きい5号墳。
飛鳥資料館の庭園に移築保存されており、無料で見学可能です。
移築展示されている八釣マキト5号墳の横穴式石室。
飛鳥資料館の庭園には亀石や猿石のレプリカも展示されており、それらを見ながら園内の南端まで来ると、何やら大きな石組が見えて参ります。こんな所に古墳が移築されているとは・・・初めて見た時には驚いたものです。
6世紀後半の円墳を体感
八釣マキト5号墳の築造年代は6世紀後半とされます。
八釣マキト1号墳が6世紀中頃ですから、それより少し後に造られた古墳ということになります。サイズ的にも1号墳を凌駕しており、横穴式石室の玄室内に入ればその大きさを実感することができます。
無料開放中の飛鳥資料館庭園。
飛鳥資料館の館内に入るには観覧料が必要になりますが、建物の前に広がる外庭の見学は無料です。
八釣マキト5号墳の他にも複製ではありますが、須弥山石、亀石、猿石、出水の酒船石などが見学できます。今は京都の地で非公開となっている出水の酒船石・・・半ば幻とも言える出水の酒船石を見ることができるのも、ここ飛鳥資料館の見所の一つとなっています。
庭園の片隅に展示される八釣マキト5号墳。
横穴式石室の中に入って、内部の構造を確認してみましょう。
八釣マキト5号墳の案内板。
明日香村大字八釣・東山地域に広がる古墳群のうち、マキト支群の5基は6世紀中頃から7世紀前半にかけて次々に作られた横穴式石室墳です。
5号墳はこの支群中で最も大きな墳丘径22mの円墳で、6世紀の後半に築かれたものです。南西方向に開口していた両袖式の石室は玄室長4.1m、玄室幅2.1m、羨道長5.9m、中には弓矢などの武具、鉄地金銅張りの鞍金具をはじめとする馬具類、須恵器のセットが納められていました。古墳の大きさや豊富な副葬品から、当地を治めていた豪族の墓と考えられます。
明日香村のマキト支群の中でも、最も大きな古墳であることが解説されています。
確かに石室の中に入ってみると、1号墳より一回り大きいことがよく分かります。論より証拠で、まずは体感してみるのが一番ではないでしょうか。幸いにも八釣マキト1号墳、5号墳共に無料で見学可能です。
両袖式の横穴式石室とナビゲートされていましたが、こうして見ると片袖式のような気もしないではありませんね。
しかし、目を凝らしてよく見てみると、確かに両袖式なのかもしれません。
園内には萩の花が咲いていました。
萩の向こうに見える石造物は、亀石のレプリカです。
ゴツゴツした石が並びます。
時の権力者を埋葬するために築かれた古墳です。
綺麗に整備された環境の中で見学できるのも、飛鳥の地ならではですね。
そそり立つ巨石の壁。
玄室の奥壁の前に立つと、否応なく圧迫感に襲われます。
石舞台古墳のような天井石が無いのは玉に瑕ですが、その分明るくて開放感があります。すぐ手の届く所にある古墳、移築保存されているためかそんなイメージを抱かせます。