山添村春日のやまぞえ不動院

山添村春日の「やまぞえ不動院」を訪れました。

正式名称を中央山龍巌寺不動院と言い、山添村役場の東に位置しています。

山門を入ると、歴史を感じさせる宝篋印塔や五輪塔が建っていました。春日神社にも程近く、県道25号沿いに小さな駐車場が用意されていました。

やまぞえ不動院

やまぞえ不動院の山門。

寺号標に正式名称が刻まれています。お立ちになられているのは弘法大師でしょう。やまぞえ不動院は高野山真言宗のお寺で、山添村出身の長音法師を開基とします。

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隠れ寺霊場縁日巡礼の札所!山添村指定文化財の五輪塔と宝篋印塔

やまぞえ不動院は霊場の札所になっているようです。

奈良県と三重県にまたがる七か所の寺院で構成される『隠れ寺霊場縁日巡礼』の札所です。縁日巡礼と言うぐらいですから、それぞれの縁日が定められています。やまぞえ不動院の御縁日は28日のようです。

高野山真言宗やまぞえ不動院

やまぞえ不動院本堂。

真新しい建物ですね。十三重石塔が建ち、雨樋の下には五三桐(ごさんのきり)、三つ巴と思しき紋が見えます。やまぞえ不動院のご住職は YouTube の発信もなさっているようです。

高野山真言宗やまぞえ不動院

山門の枠の中に五輪塔が見えます。

鎌倉時代に供養石塔として作られ、山添村の指定文化財にもなっています。

やまぞえ不動院の駐車場

やまぞえ不動院の駐車場

県道沿いの小さなスペースに車を停めました。駐車料金は無料です。ここから石段を登り、お目当てのやまぞえ不動院へ向かいます。

やまぞえ不動院の弘法大師像

見えてきましたね。

菅笠を被り、錫杖を手にする空海さんの御姿。一目見て、真言宗のお寺と判りました。

やまぞえ不動院

開けた感じの境内です。

こぢんまりしていますが、綺麗に清掃されていました。

隠れ寺霊場縁日巡礼

隠れ寺霊場の幟旗。

縁日巡礼の札所には、五條市山田町の地蔵寺(24日の延命地蔵菩薩)をはじめ、大和郡山市椎木町の光堂寺(8日の薬師如来)、葛城市柿本の影現寺(18日の十一面観世音菩薩)などが名を連ねています。

やまぞえ不動院の五輪塔、宝篋印塔

五輪塔と宝篋印塔が並び建ちます。

やまぞえ不動院の五輪塔案内板

五輪塔 正和2年(1312) 村指定文化財

鎌倉時代の作で像高178.8cm。密教にいう空・風・火・水・地の五大の教理にもとづいて創始された塔で、各部とも形が良く整い独特の構成美を示している。造塔の趣意は銘の願文にあるように、造塔の功徳をあまねく一切衆生に及ぼし共に成仏道を願わんとするもので、この塔は墓塔ではなく一種の供養石塔ということができる。   山添村教育委員会

やまぞえ不動院の五輪塔

整った印象を受けますね。

宇宙の構成元素を表すという五輪塔。

方形の「地」、円形の「水」、三角形の「火」、半月形の「風」、宝珠形の「空」。鎌倉時代から室町時代にかけ、一大ブームを巻き起こした五輪塔。鎌倉時代から整然と残る五輪塔を前にし、自ずと背筋が伸びました。

宝篋印塔 文保元年(1317) 村指定文化財

鎌倉時代の作で像高139cm。県下では五指の中に数えられている宝篋印塔であり、やや小型で塔身の一面には地蔵像を切りつけている。ここ不動院は、江戸時代当地域の領主奥田氏の菩提寺である。

宝篋印塔の地蔵像

地蔵坐像が半肉彫りにされています。

右手にするのは錫杖でしょうか。

やまぞえ不動院の宝篋印塔、五輪塔

地蔵像と五輪塔。

いずれも鎌倉時代の作です。

奈良県内の宝篋印塔でまず頭をよぎるのが、生駒市円福寺の宝篋印塔です。重要文化財に指定される宝篋印塔で、同じく鎌倉時代の作品でしたね。

仏像と宝篋印塔

山門外の仏像と宝篋印塔。

やまぞえ不動院の石仏群

石仏群もありました。

そのほとんどはお地蔵様でしょう。近隣にあったものが集められたのではないでしょうか。

やまぞえ不動院の落慶記念

やまぞえ不動院の落慶記念。

平成31年4月吉日と刻みます。これは仏足石だと思われます。パッと見は健康器具の足踏み台(笑) さすがに違うだろうと思い直すのですが、見ているだけで足ツボが刺激されます。

このまま県道を西へ進み、名阪国道の下を通って長寿岩にアクセスします。長寿岩の先には、大きな磐座を有する吉備津神社があるようです。大和国に唯一祀られる吉備津神社ですが、また次回に訪れてみたいと思います。

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