今年も藤原宮跡のコスモスの季節がやって参ります。
コスモスにも色々な種類がありますが、最近は黄色いコスモスも見られるようになって参りました。昨年度の秋に訪れた藤原宮跡にも、サンセットイエローという黄色いコスモスが開花していました。
藤原宮跡に咲くサンセットイエロー。
花の中心には白い縁取りも見られますね。天香具山の手前で焚火でもされているのでしょうか、白い煙が立ち上っていました。野趣あふれるキバナコスモスとは違い、淡い印象の品種ですね。
藤原宮跡のコスモス畑は実に広大です。その広さたるや、呆気にとられるほどです。お寺の境内でもコスモスが植えられていますが、さすがに寺域内では空間に制限があります。その点、藤原宮跡は古代の宮都跡だけあって安倍文殊院や般若寺の比ではありません。
気温の低下と共に濃くなるサンセットイエロー
サンセットイエローの特徴はその色の変化にあります。
秋も深まり気温が低下していくに従い、徐々に花びらの黄色が濃くなっていくそうです。個体によってはバラツキもあるでしょうから、その色合いをチェックしてみるのも見所の一つですね。
サンセットイエローの案内板。
大和三山の香具山を背景に、黄色いサンセットイエローのお花畑が広がっています。
紅やピンク、白のコスモスに混じって一際その異彩を放っています。
やっぱり黄色は目立ちますね。
快活なイメージを与える黄色ですが、サンセットイエローの色合いには様々な段階があって興味が尽きません。ここは風光明媚な大和三山と共にあるコスモス畑です。カメラの構図を探るには、是非ともおすすめしたい場所となっています。
コスモスの蕾もまたいいですね。
立ち上る煙も、独特の風情を醸してくれます。
藤原宮跡と言えば、柱ですよね。
柱の北方に耳成山を望み、すぐ右手には真夏を謳歌した蓮池が見えています。
もうすっかり、夏の終わりを感じさせます。
あれだけ元気だった蓮の葉っぱも、コスモスの時期にはこんなふうに萎れてしまうようです。
太陽の光に透けるサンセットイエローの花びら。
遥か向こうには畝傍山を望みます。
風にゆらゆらと揺れています。
コスモスは可憐な花です。華奢なコスモスゆえ、ちょっとした風にも揺らめきます。そこがまた、日本人の心を刺激するのかもしれませんね。
たくさんの方がコスモス畑を見に来られていました。
都会の人にこそ、一度は見て頂きたいお花畑です。これだけ広いコスモス畑ですが、広大な面積を誇る藤原宮跡の一部を占めるに過ぎません。周りを大和三山に囲まれ、この地に都を置こうとした天武・持統天皇の思いが分かるような気がします。これ以上にはない立地だったのでしょう。
抜けるような青空との対比がいいですね。
小春日和の空の元、是非おでかけしてみたい桃源郷のような場所ではないでしょうか。
黄色いコスモスは、玉川大学農学部の育種学研究室が開発したそうです。
日本由来の品種だったのですね。
時は1987年(昭和62年)、種苗法に基づき世界初の黄色いコスモス「イエローガーデン」として登録された歴史があります。それからさらに、よりはっきりとした黄色いコスモスが開発されるに至り、イエローキャンパスという品種名で出回るようになりました。
その流れをくむ ”サンセットイエロー” ということになりますね。