今年も藤原宮跡のコスモスを見に行きました。
藤原宮跡は昭和27年に特別史跡に指定されています。西暦694年から710年までの間、持統・文武・元明天皇の3代にわたって都の置かれた場所とされます。広大な敷地に東西南北の条坊道路が整備され、我が国初の都城として造営されました。
藤原宮跡のコスモス。
向こうに見えている山は、大和三山の畝傍山ですね。
藤原宮跡のコスモスの見頃は10月上旬~下旬とされます。残暑のお宮跡にはキバナコスモスが咲いていましたが、涼しくなるといよいよコスモスの出番となります。
腰掛けベンチに座って楽しむ秋の風物詩
奈良県内には般若寺や安倍文殊院などのコスモスの名所があります。
お寺の境内のコスモス畑は敷地面積が限られています。その点、藤原宮跡のコスモス畑はかなり広大です。毎年コスモスの開花する場所は概ね決まっており、今年も宮跡内の秋ゾーンへと足を向けます。
長い木製ベンチが用意されていました。
ここに腰掛けて、ぼんやりとコスモス畑を眺めます。
やっぱりいいですね、秋のコスモス!
藤原京は東西約5.3㎞、南北4.8㎞(あるいは約5.3㎞)の規模を誇りました。その中心部に約900m四方の藤原宮があったようです。藤原宮の周りは大垣と濠で囲まれ、各面に3箇所ずつの門が設けられていました。
藤原宮跡からおふさ観音までは徒歩10分弱です。
今回私は藤原京資料室の駐車場に車を停め、コスモス畑を楽しんだ後におふさ観音を目指しました。10月下旬に訪れましたが、今年は薔薇の開花状況が芳しくないようです。
長~いベンチですね。
広大な藤原宮跡にピッタリです。
天香具山とコスモス畑。
藤原京資料室の駐車場から南へ向かいます。
ここから南方にも、コスモス畑により近い駐車場があります。
風でなぎ倒されたコスモスも見られました。
これだけ可憐な花ですから、台風並みの風雨には弱いでしょうね。
コスモス畑の西には鴨公小学校が見えます。
藤原宮跡の後に続くお宮・平城宮跡では、今秋菊花のイベントが催されるようです。あやめ池遊園地が開業していた頃に、菊人形展に足を運んだ記憶が蘇ります。
香久山とコスモス。
大和三山の中でも、「天香久山(あまのかぐやま)」と唯一「天」の字を冠する神々しい山です。平べったい山容のためか、比較的見つけにくい山とも言われます。
藤原宮跡の柱跡。
藤原宮の中には天皇が住む内裏、政治や儀式を行う大極殿と朝堂院(ちょうどういん)、そして役所の建物などが並んでいたそうです。
コスモス畑の中は立入禁止です。
むやみに踏み入って撮影するのはご法度です。くれぐれも注意するように致しましょう。
3年前の秋に見たサンセットイエローも綺麗でしたが、オーソドックスな色合いにも惹かれます。
世界遺産登録を目指している藤原宮跡。
コスモスの咲く藤原宮跡は、世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産の一つです。
外国人観光客の誘致には「世界遺産」の称号が欲しいところですね。観光スポットとしての魅力を顧みるなら、お花畑は価値あるものと思われます。ただ、イマイチ ”だだっ広い” という印象がぬぐえません。平城宮跡のように朱雀門や大極殿が復原されていません。幾つかの課題を残しつつも、今年も綺麗なコスモスが多くの見物人を呼び寄せていました。