奈良県立万葉文化館の前庭に枝垂れ梅が開花していました。
明日香村埋蔵文化財展示室で牽牛子塚古墳の模型を見学し、飛鳥寺本堂前に咲く梅の花を堪能した後、奈良県立万葉文化館の庭へと足を運びます。万葉文化館の玄関ホール近くまで来ると、パンジーや梅の花で辺りは艶やかに彩られていました。
万葉文化館の玄関横に咲く枝垂れ梅。
枝垂れ梅の開花時期は1月から3月にかけてのようです。その実は6月に成ると、案内プレートに記されていました。
春を謳歌する枝垂れ梅
枝垂れ梅は英語で、weeping Japanese apricot と表現します。
weep は枝が垂れることを意味する自動詞ですが、「泣く、涙を流す」といった意味も持ち合わせています。確かに涙を流しているかのような情趣あふれる姿をしています。花が枝垂れる様子に、涙を流す場面が重なります。
こぼれ落ちんばかりに枝垂れています。
これぞまさしく、万葉集の中の文章にもある「あえぬがに花咲きにけり」といったところでしょうか。
東大寺近くに鎮座する氷川神社の枝垂れ桜、安倍文殊院の仲麻呂望郷枝垂れ桜等々、見応えのある枝垂れ桜は今までにもたくさん見てきましたが、枝垂れ梅というのは結構珍しいのではないでしょうか。
万葉文化館の玄関ホールに立つせんとくん。
古代衣装に身を包むせんとくんに、春の花が彩りを添えます。
竹を上手に組み合わせて、小さな空中花壇になっていますね。
これから本格的な春を迎えるに当たり、洒落た玄関前の飾り付けに心が躍ります。
枝垂れ梅はバラ科サクラ属の落葉高木です。
梅とは言いながらも、バラ科であり、さらにはサクラ属に分類されているんですね。
万葉文化館の庭には実に様々な植物が植えられており、そのそれぞれに花の開花時期や実の成る時期が案内されています。植物のことを学べる、ちょっとした植物園として訪れる人も多いのではないでしょうか。
春から夏、秋にかけては色とりどりの花が咲き乱れ、来館者の目を楽しませてくれます。
私が万葉文化館の庭に足を運ぶ時は、大体において飛鳥寺~奈良県立万葉文化館~酒船石の順路を辿ります。
遠回りすることもなく、それぞれの観光スポットを楽しめるルートですので、是非覚えておかれることをおすすめ致します。
万葉文化館の駐車場脇にあるお土産物店で、明日香村名物のかめこんを頂きました。
お値段は150円。
亀の形をしたコンニャクなわけですが、近くにある亀形石造物を模して作られているようです。
桜井市内から明日香村へ車でアクセスする途中、右手に鮮やかな黄色に彩られた蝋梅が咲いていました。
明日香村に入ってからは、もう既に蝋梅の花は咲き終わっているようでした。その代わりに、あちこちで梅の蕾を見つけました。季節は確実に移ろいながら、お彼岸、春休みへと向かって行きます。