龍田大社の両部鳥居

鳥居の種類にも色々ありますが、両部鳥居は一際目を引きます。

両部鳥居とは、柱の前後に控柱(ひかえばしら)を設け、本柱と控柱との間に貫を付けたものを言います。両部鳥居は、真言宗の両部神道に由来するもののようです。

龍田大社の両部鳥居

龍田大社の両部鳥居。

生駒郡三郷町に鎮座する風の神様です。

7月の風鎮大祭で知られるお社ですが、その正面に建つ鳥居が両部鳥居です。「官幣大社龍田神社」と刻む社号標の右横に、どっかりと根を下ろす両部鳥居!風格がありますよね。

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稚児柱や反り増しで装飾される両部鳥居

両部鳥居には必ず ”反り増し” があります。

鳥居の一番上に渡された横木である「笠木」が反っているのが特徴です。

両サイドに反り上がり、神明鳥居にはない曲線美が強調されます。

龍田大社の両部鳥居

反り増しが美しい龍田大社の両部鳥居。

笠木の下には島木、貫は両方の柱の外側へ突き出ています。二本の柱の上部には台輪が見られ、貫を補強するための楔(くさび)が打たれます。

龍田大社の両部鳥居

稚児柱の貫にも楔が見られますね。

両部鳥居の意味するところは何なのでしょうか?

両部鳥居の「両部」とは、密教の二大法門である金剛界と胎蔵界を表します。神仏習合を示す名残とされ、神仏混交の神社に多く建てられるようです。

龍田大社の両部鳥居

両部鳥居には別名があり、四脚鳥居、権現鳥居、枠指鳥居などと言います。

龍田大社は風の神ですが、水の神を祀る広瀬大社にも両部鳥居が建っていたことを思い出します。奈良県内では他にも、東吉野村の丹生川上神社中社、広陵町の山王神社などにも両部鳥居が建っています。

最も有名な両部鳥居は厳島神社のものと思われますが、敦賀にある気比(けひ)神宮の鳥居もよく知られています。

粛々と風鎮大祭の祭事が進行していきます。

本殿の玉垣も鮮やかな朱色ですね。

両部鳥居も大別すれば、明神鳥居に属しています。

質素で直線的な神明鳥居に対し、意匠に富んだ華やかな鳥居です。同じ明神系の中でも、ボリューム感のある両部鳥居には抜きんでた存在感があります。神仏習合の名残であることを心に留めておきたいですね。

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