大神神社一の鳥居をご案内します。
神社参拝の作法として、まずはこの一の鳥居をくぐることから始まります。何をおいても一の鳥居なのです。
大神神社一の鳥居。
一の鳥居の場所が分からない。そんな声が良く聞かれます。それもそのはず、今の参道からは少し外れた場所に建っています。
一の鳥居前の灯籠に居たなでうさぎ
私は大三輪中学校に通っていたため、中学時代の通学路沿いに大神神社の一の鳥居がありました。
一の鳥居を右手に見て、大神神社の参道へ出ます。当時はまだ左側に見えるはずの大鳥居が出来ていませんでしたので、そのまま参道を超えて中学校へと向いました。
こちらが、皆さんご存知の大鳥居です。
スケールの大きさを感じさせる鳥居で、高さが32.2mもあります。
大鳥居は一の鳥居ではありませんので、くれぐれもお間違いなく。
大鳥居は昭和天皇のご親拝記念であり、御在位60年を奉祝して建立されています。柱間は23mにも及び、その材質は耐候性鋼板で、耐久年数はなんと1,300年と言われます。西暦2010年に平城遷都1,300年祭が催されたばかりですが、同じぐらいの年月に耐え得る鳥居のようです。
車でこの大鳥居の下をくぐられる参拝客の方も多いのではないでしょうか。
大神神社一の鳥居は、当館大正楼の第二駐車場からもすぐ近くに位置しています。
私が小学生だった頃は、一の鳥居の向って左側にあったそろばん塾に通っていたことを思い出します。今ではその珠算教室も、場所を変えて営業なさっています。
大神神社一の鳥居から真っすぐ西へ進むと、おんぱら祭の綱越神社が鎮座しています。
大神神社のなでうさぎ。
この「なでうさぎ」、実は大神神社の一の鳥居に居たようです。
正確に言うと、鳥居前の灯籠の上にちょこんと坐していました。
こんな感じ。
かつて大神神社一の鳥居前にあった大燈籠。
燈籠のてっぺんに”なでうさぎ”の姿が見えますね。
燈籠の火袋の下には亀の姿も確認できます。大神神社の宝物収蔵庫で展示されている亀ですね。甲羅の上に燈籠を載せるスタイル、どこかで見た覚えがあります。天理三島神社や東京両国の徳川家康公銅像などにもよく似た特徴の亀が居ました。ひょっとすると、亀ではなくで霊獣の贔屓(ひき)なのかもしれません。
大神神社のなでうさぎに話を戻せば、十二支の卯(う)は真東を指し、サンライズの象徴とされます。
三輪山から日が昇り、二上山に日は沈む。
古来、言い習わされてきた太陽の動き。言霊のさきはう国において「う」という響きには特別なものがあったのでしょう。「う」という字体を見てみても、くるっと丸まったエネルギーの内包が感じられます。どこか勾玉の形にも似ており、母親の胎内で丸くなる胎児をも連想させます。
普段は日の目を見ることのない一の鳥居。
大鳥居とは趣の違う姿にしばし見入ります。ちなみに一の鳥居の笠木は五角形です。普段とは違い、横のアングルから鳥居を観察するのも一興です。
一の鳥居があれば、もちろん二の鳥居もあります。
二の鳥居もお馴染みの鳥居ですよね。鳥居をくぐって、真っすぐ参道を上がって行けば大神神社の拝殿へと辿り着きます。二の鳥居の前には結構広いスペースが設けられていて、駐車場としても利用されています。若宮神幸祭の際には、この場所に馬が待機していたのを思い出します。
大神神社参拝をお考えの皆さん、次回は是非一の鳥居を訪れてみて下さい。また新たな参拝の仕方が見つかるかもしれません。