談山神社の表参道にある大原神社。
飛鳥坐神社から東へ5,6分上がって行くと、藤原鎌足を祀る大原神社があります。この道をさらに東へ4㎞ほど登ると談山神社に行き着きます。”談山神社の表参道”と言われる所以ですが、この辺りには鎌足の足跡が色濃く感じられます。
大原神社拝殿。
真ん中を通り抜ける割拝殿になっています。
大原神社の御祭神は、大織冠(たいしょくかん)の冠位を賜った藤原鎌足です。大織冠は冠位の最上位に当り、史上鎌足のみに与えられた高貴な位です。
大伴夫人の墓!畝傍山と二上山を望む明日香村小原
大原神社の鎮座地は明日香村小原です。
早春の蝋梅で知られる里ですが、遥か西方には畝傍山と二上山を望みます。
この日、私は飛鳥寺の花会式を見学した後、飛鳥寺研修会館にある五重宝塔を仰ぎ見ました。改めて日韓友好の宝塔に感動し、そのまま大原神社を目指します。
大原神社本殿。
鄙びた覆屋の中に二つの社殿が祀られていました。
大織冠鎌足と品陀別命を奉祀しているようです。
中大兄皇子(後の天智天皇)と共に大化の改新を推し進めた鎌足。臨終の床で、天智天皇から賜った冠位が「大織冠」です。後にも先にも鎌足のみに与えられた冠位として知られます。
本殿の背後に流れる竹田川畔には、鎌足産湯の井戸が残されています。
鎌足の母に当たる大伴夫人の墓も大原神社の西にあり、一帯は鎌足ゆかりのエリアを思わせます。
大原神社本殿。
二体の狛犬が両脇を固め、細い注連縄が掛けられていました。屋根の妻には精緻な彫刻を施した懸魚も見られます。
明日香村小原の地から望む畝傍山と二上山。
歴史ある二つの山が重なり合います。そこからず~っとカメラを引いた右手前に大伴夫人の墓がありました。
こんもりとした杜が大伴夫人の墓です。
墳形は円墳で、高さは2.4mとされます。
日本の歴史の中で連綿と続く藤原姓。その端緒となったのが藤原鎌足です。今私は、その始まりの地に立っています。