国営飛鳥歴史公園の高松塚古墳地区に満作(まんさく)の花が咲いていました。
高松塚古墳の駐車場に車を停め、休憩所の前を通って道路の下を横切ります。しばらく進むと、前方に黄色い花を咲かせている木が目に入ってきました。何の花だろう?と思って近づいてみると、早春に開花することで知られるマンサクでした。
高松塚古墳に開花するマンサク。
不思議な形をしている花です。
満作の花言葉は「ひらめき」「霊感」
マンサクの枝や樹皮は大変強く、昔は茅葺屋根の骨組みを結ぶのに使われていました。細い枝でか弱そうにも見えますが、実は強靭なんですね。
高松塚古墳。
墳丘の整備も終わり、古墳の周りをぐるっと歩くことができます。
古墳壁画の劣化問題で一時は騒然としましたが、今では落ち着きを取り戻しています。問題が解決されたわけではありませんので、今後も高松塚古墳壁画の修復作業は続いていくものと思われます。
マンサクの開花時期は2月から3月に掛けてと言われます。
マンサクの原産地は日本と中国。
細長い黄色の花びら4枚から成る花が、さらに2~3個集まってグループを形成しているようです。
まるで頭の中のインスピレーションがぱっと閃いたような花を咲かせます。それもそのはず、マンサクの花言葉は「ひらめき」や「霊感」とされます。名前の由来も大変興味深く、早春に「まず咲く」が転訛して「まんさく」となったようです。「まず咲くマンサク」と覚えておけば良さそうですね。
高松塚古墳壁画館。
マンサクの咲いている場所から丘陵を上り、そこから下った所に高松塚古墳壁画館があります。壁画館の前を通ってしばらく進むと、左手に高松塚古墳が見えて参ります。
青空に映えるマンサクの花。
春を予感させる鮮やかな黄色に、抜けるような青空がよく似合います。
マンサクの向こうに、高松塚古墳壁画館へと続く階段が見えます。
亀石方面から天武持統天皇陵へ抜ける道が整備され、大型観光バスでも通行が可能になりました。そのまま高松塚古墳や飛鳥駅方面へも通じており、飛鳥のインフラ整備の充実ぶりがうかがえます。
英語やハングル語の表示も見られます。
さすがにここは、国際観光の名所として名を連ねる飛鳥です。
高松塚古墳壁画館は、英語では Takamatsuzuka Mural Museum と表記されるんですね。
”ひらめき”の閃光が枝の周りを埋め尽くします。
真夏の線香花火をも連想させます。
ひと足早く開花するマンサクは、これから花開く梅や桜のお膳立てをしているようです。梅、桜、牡丹を主役とするなら、脇役の切り込み隊長のような役割を果たしているのがマンサクではないでしょうか。