聖徳太子御遺跡二十八霊場。
太子ゆかりの札所で構成される関西エリアの霊場で、大阪から奈良、京都、兵庫を巡ります。その第十三番札所に当たるお寺が、橿原市南浦町にあります。天香久山の麓に位置し、すぐ近くには天岩戸神社が鎮座しています。
聖徳太子御遺跡第十三番霊場の日向寺(にっこうじ)。
浄土宗のお寺のようです。
橿原市内にありますが、明日香村にも程近い場所です。太子生誕の地と伝わる橘寺も、車で数分の場所にあります。
木造阿弥陀如来立像を仰ぐ天照山日向寺
日向寺のご本尊は阿弥陀如来です。
すぐ近くの豊浦寺跡(太子山向原寺)のご本尊も阿弥陀如来でしたね。霊場巡りの順番でいえば、第十二番向原寺、第十三番日向寺、第十四番法隆寺の並びになります。
第7番から23番までを奈良県内のお寺が占めています。
奈良県内筆頭の第7番霊場は、大淀町比曽の世尊寺です。飛鳥寺、達磨寺、信貴山朝護孫子寺といった聖徳太子ゆかりのお寺も御遺跡巡りに名を連ねます。
民家の横に連なるようにお堂が建ちます。
おそらくこの堂内に、ご本尊の阿弥陀如来立像が安置されているのでしょう。
日向寺の周辺地図。
法然寺~日向寺~天岩戸神社と巡るコースが案内されていました。
今回私は西井牧場さんで「飛鳥の蘇」を購入し、その足で日向寺へ向かいました。日向寺には駐車場がありませんので、西井牧場さんで買物をすることをおすすめします。
ぐるっと道を回り込んで、日向寺に到着。
立派な石標があるわけでもなく、随分簡素な造りです。
軒下には、わずかに蛙股も見られます。
ご朱印の納経題字は、太子造寺九院ノ一(たいしぞうじきゅういんのいち)です。『聖徳太子伝暦』の太子建立諸寺九院の中の一つを意味しているのでしょう。
日向寺の屋根瓦。
躍動的に浮かび上がるのは梵字でしょうか。
土塀沿いに建つ日向寺の小伽藍。
ちょうど太陽光が差し込み、お寺の名前にふさわしい光景に出くわします。
道案内も付いていました。
聖徳太子創建のお寺にしては寂びれた印象ですね。
ご朱印も日向寺では頂くことが出来ません。桜井市の長谷寺門前にある崇蓮寺へ足を運ぶ必要があるようです。
観光客もまばらなエリアです。
日向寺の境内からは、飛鳥時代や白鳳時代の古瓦が出土しています。
裏手へ回り込んで、少し寂びれたこの感じ・・・ふと、斑鳩の法輪寺から「三井の井戸」へ行った時のことを思い出しました。なんとなく雰囲気が似ているような気がします。
「万葉の森」と「山田寺跡」の道標。
大和三山の天香具山は低い山です。登山に要する時間もごくわずかですので、山頂へトライしてみてもいいでしょう。また、山の中には月の誕生石など、不思議な岩も横たわっています。
香久山山麓のそぞろ歩きで出会った日向寺。
聖徳太子の足跡を辿りながら、関西各地を旅してみるのも一興です。