聖徳太子創建と伝わる京都の六角堂。
本堂が六角形をしていることから「六角堂」と呼ばれます。正式名称は紫雲山頂法寺で、天台系の単立寺院とされます。烏丸通の四条と御池の間を、東へ少し入った所にありました。
六角堂の本堂。
ビルの狭間に建ち、数ある京都の寺院とは趣を異にしています。
六角堂の歴史と聖徳太子
六角堂にお参りしてまず思ったのが、境内にいる鳩の多さ!
鳩は神の使いとされているようですが、平和の象徴でもありますよね。幸運のシンボルである鳩をモチーフにした御守も販売されていました。巻物状に巻かれた ”紙のおみくじ” を止まり木のように抱く鳩みくじが人気を集めます。
こちらは六角堂の銀杏守。
境内の銀杏の木に実った銀杏を使用しています。
イチョウの生命力の強さにあやかり、無病息災、延命長寿、健康維持、病気平癒、安産などの御利益があると言います。実の表面には梵字が書かれていますね。
本堂脇にたむろする鳩。
参拝客とも仲良しのようです。
六角堂の歴史は、聖徳太子が念持仏の如意輪観世音をこの地に納めて本尊としたことに始まります。
四天王寺建立に際し、材木を探すために京都盆地を訪れた聖徳太子。
山に入った聖徳太子は池で身を清めます。その際に、念持仏を木に掛けたそうです。するとどうでしょう、その念持仏が木から離れなくなったというではありませんか。その夜、仏から「この地で衆生を救いたい」という夢のお告げを得ます。お告げに従って六角形の御堂を建て、その中に御本尊の如意輪観世音を安置したと伝えられます。
イチョウの実で作られた銀杏守。
奉納料は500円です。
本堂前の紅白のろうそく。
1本20円で奉納します。ろうそくを入れる木箱も六角形ですね。
紫雲山頂法寺「六角堂」。
平安京遷都のずっと以前から、この地にあった六角堂。
境内のへそ石も、そのことを如実に物語っています。
桓武天皇平安京遷都の際、六角堂の所在地が道路の中央に当たってしまったと言います。天皇が遷座を祈願したところ、御堂がにわかに5丈(10数メートル)ばかり北に移動したそうです。へそ石はその時に取り残された礎石と伝わります。また京都のほぼ中央に位置していることから、「へそ石」とも「要石」とも呼ばれています。
境内には白鳥も泳いでいました。
動物に対して寛容なお寺さんのようですね(笑)
白鳥池の注意書き。
”かみつきますので白鳥に近づかないようにして下さい。エサを与えないで下さい。”
えっ、白鳥って人に噛み付くことがあるんですね。ちょっと驚きです。
六角堂頂法寺のスタンプ。
「いけばな発祥の地 池坊」の文字も見えます。その右横にデザインされているのが「へそ石」です。
ここは京都のど真ん中、近代的ビルの立ち並ぶ洛中エリアです。そんな場所で聖徳太子の足跡を辿ることになるとは思ってもみませんでした。