厄を払ってくれる人形(ひとがた)や形代(かたしろ)。
上半期の穢れを払う茅の輪神事でもおなじみですが、雛人形なども同じ意味合いを持ちます。
鳥取県の流し雛。
毎年土佐街道で行われる「町家の雛めぐり」で拝見しました。紙や土で作られているようですね。おそらくこの雛人形を川に流すのでしょう。環境を汚さないよう、材質にも気が配られています。
高取町の雛祭り!天段の雛にジャンボ雛
高取町で開催中の「町家の雛めぐり」を見学して参りました。開催期間は3月1日~31日までの一箇月間で、午前10時から午後4時まで楽しむことができます。高取町の春のイベントとしてすっかり定着しており、今年で第10回目を迎えます。れんじの道沿いに...
女の子の成長を願う桃の節句
医学の発達に伴い、幼い子供の死亡率は著しく減少しました。
とても有難いことですね。
その一方で、昔の親の気持ちを推し量ることが難しくなっているような気もします。当たり前のように幼稚園入園、小学校入学へと進む子供たち。敷かれたレールの上を難なく進んで行くことが当然のことのようにも思えます。
しかしながら、そうではないということを改めて知る必要があります。
現代ですら、発展途上国の人々は子供の健康を切に願っているはずです。か弱い子供を守るため、身代わりになる人形に厄を移して川に流し去ったのです。
想いの籠った雛人形。
住宅事情の変化により、華やかな段飾りもあまり見られなくなりました。昨今はコンパクトサイズの雛壇が人気です。昔風情の町家が並ぶ土佐街道沿いでは、かつて主流を占めた大きな雛壇も飾られています。
時代に合わせながら雛人形の意味合いも変わりつつありますね。
医学が進歩しても疫病は無くなりません。人類との永遠のいたちごっこは、新型コロナウィルスが証明しています。相次ぐ変異株の出現も、色々なことを再考する材料になっています。
不安の多い世の中ですが、こういう時こそゆっくり雛人形と触れ合ってみたいですね。