平城宮跡歴史公園の北東にある水上池。
奈良時代には天皇の憩いの場であったと伝わります。今も野鳥が飛来し、バードウォッチングの名所にもなっています。池の周囲には大型古墳が並び、古墳見学も同時に楽しむことが出来ます。
奈良県景観資産の水上池。
奈良市最大の溜池です。溜池が多いことで知られる奈良盆地ですが、平城宮のすぐ北にも巨大な溜池が広がります。
市庭古墳、コナベ古墳、ウワナベ古墳、ヒシアゲ古墳と巡る!心和む自然体験
この辺りは水辺ウォーキングの聖地です。
皇族方の陵を巡りながら、奈良の深い歴史に触れます。水上池も巨大なら、前方後円墳の周濠も巨大です。海無し県の奈良ではありますが、ひょんなことから水辺の散歩を満喫しました。
水上池の畔から西を望みます。
市庭古墳(平城天皇陵)ですね。元の墳形は前方後円墳ですが、今は削平を受けて後円部の一部が残ります。その向こうに見えているのは生駒山でしょう。
水上池の南端。
池の南辺は平城宮の北面築地大垣と一致しているようです。そのため、大垣と同時に造られたと推測されます。水上池は“奈良の都”とも大いに関係していたんですね。平城宮と共にあった、そう考えていいでしょう。
今回は確認しませんでしたが、水上池の北岸には出島があります。その出島こそ、平城宮庭園の名残だと言います。水上池は禁苑(きんえん;皇居の庭)の一部だったようです。
雲を映す水面。
静かに佇む水上池は大きな「水鏡」です。季節によって色んな表情を映し出すことでしょう。
電柱の表示「ミズカミ」。
水上池の西には佐紀池があり、佐紀池も同じく禁苑だったようです。
野鳥観察に訪れる人も多いと聞きます。
カワウ、コブハクチョウ、カイツブリなどが見られます。水上池の南辺を東へ進み、民家を抜けるとコナベ古墳がありました。コナベ古墳の周囲には大きなお濠が巡っています。
コナベ古墳の南西隅。
コーナーがガードレールで囲われていました。
南西隅から北進すると、左手に控えるのがヒシアゲ古墳です。
北へ向かう途中、右手のガードレールが途切れていることに気付きます。夜間に通るのは危険ですね。ご近所の方ならまだしも、土地に不案内な人は注意が必要です。車での通行も避けた方がいいでしょう。
佐紀路を辿って東へ行くと、東大寺の転害門に行き着きます。夕暮れ時、鹿が草を食んでいました。
こちらはヒシアゲ古墳(磐之媛命陵)。
水上池から北を望むと、歌姫の森が見えています。
水上池を訪れたら、是非古墳探索を楽しみましょう。古墳の楽しみ方にも色々あります。墳丘に登ったり、横穴式石室に入ったりするのも面白いものです。その一方で、巨大な墳丘の周りを歩くのも醍醐味の一つです。
佐紀盾列古墳群の中で最大規模を誇ります。
隣接しているのがいいですね。それぞれの古墳が隣接しています。離れて存在しているのではなく、お互いに寄り添っているのです。水上池周辺の市庭、コナベ、ウワナベ、ヒシアゲ古墳を巡ったら、もうお少し足を延ばしてみるのもおすすめです。
さらに西方には、佐紀瓢箪山、佐紀高塚、佐紀陵山、佐紀石塚山、五社神古墳があります。全ての古墳を歩き尽くせば、一つの達成感を味わうことになります。十分に徒歩圏内です。半日あれば歩けるのではないでしょうか。