斑鳩エリアで最も古い古墳とされます。
5世紀初め築造の斑鳩大塚古墳が、斑鳩小学校・幼稚園の南にありました。大塚古墳と言うぐらいですから、規模の大きさを想像します。ところが、見学してみて“小さな古墳”であることが分かりました。
斑鳩大塚古墳。
南側から墳丘を撮影しています。直径35m、高さ4メートルの円墳とされていましたが、前方後円墳の可能性も示唆されます。斑鳩大塚古墳の埋葬施設ですが、粘土槨に割竹形木棺の痕跡があったようです。
斑鳩大塚古墳の行き方!法隆寺から徒歩でアクセス
今回私は、法隆寺から歩いて向かいました。
十分に徒歩圏内ですので、是非ご興味をお持ちの方は見学に訪れてみて下さい。法隆寺の境内は広く、結構拝観時間を要しますが、法隆寺の周辺エリアも見所満載です。春秋の観光シーズンには周辺散策もおすすめです。
斑鳩幼稚園からさらに南へ歩を進めると、見えてきました!
お目当ての斑鳩大塚古墳です。割と小ぢんまりした墳丘ですね。
墳丘上には戦没者慰霊塔が建ち、「殉国碑」と刻みます。
昭和29年の殉国碑建立工事に伴い、遺物が出土したことにより “古墳” と判明したようです。
法隆寺の参道松並木。
国道25号をはさみ、さらに南側に建つ一対の石燈籠です。ここから西へ歩いて行きます。
しばらくすると、左手に斑鳩小学校が見えてきます。
小学校の角に道案内がありました。ここを左折し、南へ向かいます。
南方向には斑鳩大塚古墳をはじめ、素戔嗚神社、目安融念寺・助宗の碑があるようです。
小学校の角を曲がって進むと、程なく右手に幼稚園がありました。
幼稚園を通り過ぎて道なりに進み、最後は左へ曲がると斑鳩大塚古墳です。
殉国碑があることからも、整備された古墳を印象付けますね。
墳丘周辺で遊ばないように、との注意看板も目にしました。おそらく子供たちの登下校ルートにもなっているのでしょう。
各地に「大塚古墳」と名乗る古墳は多くあります。
奈良県内にも河合町の大塚山古墳をはじめ、中山大塚古墳、柳本大塚古墳、黒田大塚古墳、石上大塚古墳等々が並びます。皆そこそこのサイズなのですが、眼前の大塚古墳はさほど大きくありません。
正面に回り込み、階段を上がります。
殉国碑が墳頂に建ち、ちょっとした違和感を覚えました。
5世紀前半に築造された斑鳩大塚古墳。
円墳と推定された当時の測量では、直径35mとされます。
墳頂には狛犬も陣取っていました。
その壇上に殉国碑が建ち、北には斑鳩小学校の校舎が見えています。
南から見る斑鳩大塚古墳。
墳丘の裾に石仏が祀られていますね。
もう少し離れて。
左奥の矢田丘陵から南に伸びる緩やかな延長線上です。この細い道と並行するように、東側には県道5号が走っています。いつも通る道から一本外れてみる。ただそれだけで、新たな視界が開けます。観光とはそういうものだと思います。
墳丘裾の石仏群。
赤い前掛けは魔除けでしょうか。
墓石も建っていました。
新旧入り混じっての弔いの場所。これからも時の流れの中で、様々に伝承されていくのでしょう。その舞台になり得る古墳は、時代の伝道者ですね。