喜光寺の弁天堂には宇賀神(うかじん)が祀られています。
宇賀神とは神仏習合以前はお稲荷さんに代表される穀物神であり、神仏習合以後は弁才天の水神信仰と龍蛇神が合わさった神と伝えられます。福の神として崇められ、弁才天と同一視されています。
喜光寺の弁天堂。
境内の池の中にお堂が建てられていました。
弁財天の頭上に蛇神が乗っかっていましたが、あの蛇神が宇賀神であったことを思い出します。喜光寺の宇賀神王(うがしんのう)は秘仏です。私が拝観した当日も、宇賀神王にお目にかかることはできませんでした。
施餓鬼供養法要・暁天講座に特別開扉される御神体
喜光寺の宇賀神王は、7月中旬に執り行われる施餓鬼供養法要・暁天講座の3日間のみに特別開扉されます。
財福等に霊験あらたかと言われ、広く信仰を集めている御神体です。そのお姿は人頭蛇身で、異形の神様として知られます。喜光寺の宇賀神王を間近で見たわけではないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、要するに宇賀神とはこういう格好の神様です→数年前に京都三室戸寺で出会った宇賀神です。インパクト絶大ですよね、一度見たら忘れられない衝撃を受けました。
本堂内安置の阿弥陀如来(定朝様式)を拝観した後、本堂裏手へと足をのばします。
真正面に見える建物が本坊・写経道場です。その左手前には行基菩薩を祀る行基堂が佇みます。目指す弁天堂は、ここを右へ向かいます。位置的にはちょうど本堂の背後に当たります。
喜光寺弁天堂。
お堂の正面へ橋が架けられていました。
池の外べりにも蓮の鉢が見られますね。初夏には蓮の花が咲き、阿弥陀如来を本尊とする境内にも浄土世界が演出されるのでしょう。
色鮮やかな鈴緒が下がります。
喜光寺の寺紋なのでしょうか、あまり見慣れないデザインですね。
弁天堂の真ん中には弁才天像が祀られています。
その背後に厨子がありますね。固く扉は閉ざされていますが、おそらくこの厨子の中に秘仏・宇賀神王が収められているのでしょう。よく見てみると、弁天さんの真下に宇賀神王らしき御神影が飾られていました。今回はこの御前立に手を合わせます。
ふくよかな弁天さん。
芸能の神とも福の神とも呼ばれます。
「弁財天」の名の如く、財運を司る神としても信奉を集めます。
稲の神とされる宇迦御魂(うかのみたま)。
要するにお稲荷さんのことですが、確かに音的にもウカノミタマとウカジンはよく似ていますよね。神様も様々な変遷を経て今に至ります。人々の信仰と照らし合わしながら姿を変えて来た神様。人頭蛇身のお姿を拝めるのは一年の内の三日間に限られます。
喜光寺の施餓鬼法要ですが、本堂にて午前6時より執り行われます。一時間後の午前7時からは暁天講座が催され、ご住職の法話を聴く機会にも恵まれます。
例年は3日間だけの特別開帳ですが、今年は長い期間に渡って拝観できるようです。
弁天堂神影 宇賀神像特別開扉の開催期間は6月10日(土)~8月16日(水)で、拝観時間は9時~16時30分となっています。この機会に是非、喜光寺の秘仏に会いに行きましょう!