菅原道真を祀る奈良市の菅原天満宮。
道真は学問の神様としても名高く、合格祈願に訪れる受験生も多いのではないでしょうか。受験シーズン真っ只中ではありますが、日々奮闘する受験生諸君に朗報があります。菅原天満宮境内には ”落ちない梅” が植えられています。藁にもすがるこの時期、ゲン担ぎ商品も売れ行き好調のようですが、道真公ゆかりの地に根を下ろす落ちない梅は最高に心強い味方です。
落ちない梅と菅原天満宮拝殿。
人々が集う菅原の里盆梅展・・・桜の花よりも一足早く、私たちに春を届けていました。万葉の時代から愛された梅の花は日本人のDNAにも染み込んでいます。ぷっくり膨らんだ蕾もあちこちに見られ、これから訪れる春への期待を抱かせます。
入試合格におすすめする縁起物
落ちない梅。
そう聞いただけで、受験合格にご利益がありそうですよね。
「きっと勝つ」にかけてキットカットがゲン担ぎ商品として売れています。ココ一番のいざという時には、こういう洒落っ気で乗り切るというのも一つの手です。そういえば、石上神宮の鶏も樹上から落ちることがないということで、受験合格にあやかろうとする参拝客が多く見られます。
何より菅原天満宮には、泣く子も黙る学問の神様・菅原道真が祀られているのです。
常なり梅の石碑。
石柱の瑞垣に囲まれて、常な里梅が植えられていました。植樹場所は拝殿向かって右前辺りです。
菅原天満宮では「常な里梅(じょうなりうめ)」と「里」の字を当てていますね。大阪の道明寺天満宮にも、一年中実を付けるという「常成梅(じょうなりうめ)」があります。おそらく ”菅原の里” をもじった「常な里梅」なんだと思います。
常な里梅(じょうなりうめ)。
一年中をとおして青い梅がなっているとても変わった梅で、昭和2年に奉納された。
随分歴史があるんですね。
青い実が成っているとのことですが、私が訪れた時には青い実が見当たりませんでした。ひょっとすると、見落としていたのかもしれません。あ~これは惜しいことをした!
道真と梅は深い関係にあります。
菅原道真が太宰府に赴任した折、主人を慕って太宰府まで飛んで行ったという飛び梅伝説も伝えられるほどです。
「落ちない梅」と案内されていますね。
菅原天満宮では受験合格の祈祷をはじめ、初宮詣、七五三詣、厄除、車のお祓い、地鎮祭、安全祈願祭等々も執り行われています。おんだ祭り、奈良筆まつり、鷽替え神事など、菅原天満宮ならではの神事も人気を集めます。
梅の品種が豊富なことで知られる菅原天満宮。
その中でも、常な里梅の存在は別格ではないでしょうか。
新しい息吹を感じさせる卒業・入学シーズンを迎え、梅や桜が様々なドラマを演出していくことでしょう。華やかな桜にはどうしても散るイメージが付きまといます。その点、「落ちない梅」には不思議なパワーが感じられますね。