古都奈良へ来たなら、和菓子に興じるのもいいですね。
東大寺転害門前に店を構える萬林堂さんを訪れました。
店頭のまんとくんが以前から気になっていましたが、店内へ足を踏み入れるのは今回が初めてです。
萬林堂の看板商品・春日ふたつ梅枝(ばいし)。
ぶと饅頭にもよく似ていますが、春日大社にお供えする神饌を模した和菓子です。1964年の創業以来作り続けてこられたようです。
遣唐使由来の唐菓子!こし餡にグラニュー糖
東大寺にお参りしたとしても、なかなか転害門周辺まで足を延ばすことはありません。
今回の目的は転害門の盃状穴を見学することでした。当初の目的を達成し、ご満悦の中萬林堂さんの暖簾をくぐりました。
春日ふたつ梅枝の包装紙。
これは春日大社の御神紋・下がり藤でしょう。
春日大社ゆかりの和菓子ですから、最も分かりやすいパッケージですね。看板商品のお値段は一個160円でした。
萬林堂の店頭横。
奈良の民間団体から生まれたマスコットキャラクター・まんとくんがデザインされています。
タイムトラベルが出来る白いマントに、平城京朱雀門の形をした帽子が印象的です。困った人がいたらすぐに駆け付けるという鹿の足にも注目ですね。
旧広島市民球場のベンチ。
萬林堂の隣りにはお豆腐屋さんがありました。その店先に、店主の趣味により取り付けられたという野球観戦のベンチが!これはなかなか隠れた穴場ですね。
焼き菓子のまんとくん饅頭。
今はもう販売されていないようですが、往年の和菓子を店頭ショーケースで見ることができます。その横には、ネコの肉球を模した和菓子でしょうか・・・
「福よこ~い」のネーミングで売られていました。
ショーケースの中にはこの他にも、猫の足型をしたお菓子が数種類ありました。こちらの店主さん、猫がお好きなのかもしれませんね。
春日ふたつ梅枝。
こし餡をドーナツ生地に包んで揚げています。揚げた後は羊羹液に漬け、冷えて固まったらグラニュー糖を表面にまぶすようです。シンプルにして奥の深い和菓子です。
ガブリ!と ”ふたつ梅枝” にかぶり付きます。
萬林堂の住所は奈良市東包永町(ひがしかねながちょう)らしく、転害門のある雑司町とは異なるようです。包永という地名ですが、鎌倉から室町にかけて活躍した手掻派刀工の始祖・包永の名に由来します。
現在、転害門前には美味しそうな焼き芋カフェもあります。歴史散策の途中に立ち寄ってみるのもおすすめです。