橿原神宮本殿の特別参拝(2015年度)で訪れた貴賓館。
境内の秘庭が同時公開されており、貴賓館の中も見学させて頂きました。
貴賓館の上壇の間。
貴賓館の館内は縦長になっており、一番奥の部屋に神武天皇の肖像が掲げられていました。
貴賓館は結婚披露宴会場としても利用されています。祝いの席では、ここが高砂席に割り当てられるのでしょう。神武天皇を背に、何やら玉座のような趣ですね。それもそのはず、貴賓館の新造計画に当たっては上壇の間に玉座が置かれていたようです。天皇陛下の降臨が想定されていたと言います。この上なく神々しい、スピリチュアルな空間が演出されています。
数年前、巫女さんの案内で橿原神宮の結婚式場を拝見致しました。神さぶる結婚式場で挙式を終え、貴賓館などの歴史的建造物で披露宴の席を設ける。想像するだけでも、人生最高の一日が約束されます!
唐破風造銅板葺の車寄せ。
堂々たる貴賓館の玄関口です。
祈祷殿前の道案内。
文華殿と貴賓館へはここを左に向かいます。
この辺りはちょうど深田池を背にしています。初詣の際には、深田池の畔で休憩することが多いですよね。そのためか、この前の通りを歩く機会はあまりありません。
しばらくすると、右手に貴賓館の建物が見えて参りました。
手前の社務所とは、中の廊下でつながっているようです。
ず~っと奥まで続いていますね。
一番手前の部屋に、白布を掛けた受付所が設けられていました。
その手前には、両側に靴箱が置かれています。そこに脱いだ靴を収納して中へと入ります。
貴賓館の案内がありました。
貴賓館は広間・上壇の間・展望室・応接室などからなり、入母屋造銅板葺、車寄は唐破風造銅板葺で、昭和14年建造です。
貴賓館は、昭和13年からの「紀元2600年大祭」の際に、新造された貴人の御休憩所です。
その新造計画では、天皇陛下のご降臨を想定し、上壇の間に玉座が置かれました。
皇室をはじめ、賓客の方々の休憩所になっているようです。
橿原神宮会館。
比較的新しい建物で、昭和55年の御鎮座90年記念に建てられました。貴賓館の向かってすぐ左側にあります。500人収容の大広間があり、各種研修・講演会などに利用されています。
広間から続く上壇の間。
橿原神宮の御祭神・神武天皇の像が垣間見えます。
帯刀し、弓矢を携える神武天皇。
神武東征の時の出で立ちでしょうか。日本の国の始まりを告げる、勇ましいお姿ですね。
上壇の間の障子。
素敵なデザインです。
こんな場所で披露宴を開くことができるのです。いかにも奈良県らしい、懐の深さが感じられますね。
棚の設えにも気品が感じられます。
披露宴当日には、この椅子の背後に金屏風が立て掛けられます。
格天井ですが、ちょっと段差がありますね。折り上げ式でしょうか。
照明器具にも細かい意匠が施されています。
広間にも格天井が見られます。
上壇の間や広間の横には細い廊下が通っていて、外の庭を愛でることができます。
廊下から庭を望みます。
この日は庭に降り立つことはできませんでしたが、廊下から広がる緑を楽しみます。
今年の7月21日には、皇太子同妃両殿下、並びに愛子内親王殿下が神武天皇陵をご参拝なさいました。
三殿下揃っての奈良県入りは初めてのことでした。
ひょっとするとその際にも、ご皇族方はこの貴賓館でお休みになられていたのかもしれませんね。
ご来県当日は、近鉄橿原神宮前駅に降り立たれたという三殿下。
駅前で大勢の人々の歓迎を受け、神武天皇陵に向かわれたそうです。その後は京都大宮御所に移動されたようですので、今回は橿原神宮にお立ち寄りになられなかったのかもしれません。いずれにせよ、橿原神宮貴賓館は皇室関係の方々がご利用になられる場所です。特別公開されていること自体、大変有難いことなのです。
襖の引手。
きめ細かい意匠に目を奪われます。
広間の下手に掲げられた絵画。
同じ空間の向かって右側には、橿原神宮に伝わる久米舞の様子を描いた絵画もありました。
貴賓館の応接室。
貴賓館の手前左側に配されています。
どこに居てもつい、襟を正してしまうような空気が漂います。
貴賓館のイベント案内看板。
「禁足地を含む3つの秘庭などを一般公開」と書かれていますね。
先ほど見た庭の写真ですが、季節によっては紅葉も楽しめるのではないでしょうか。
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