二上山の麓にある傘堂をご案内します。
読んで字の如く、傘を思わせる格好のお堂です。
真柱一本で宝形造りの瓦屋根を支える傘堂。
当麻寺参詣
當麻寺を参詣。 當麻寺は二上山の麓にあるお寺で、境内からは来世の極楽往生を願う人々の思いが伝わって参ります。 當麻寺仁王門。 にらみを利かしているのは、阿相の仁王像。 仁王門からは額縁で切り取ったように二上山が見えます。 門というのは不思議...
傘堂の行き方!郡山藩主の位牌堂
傘堂は、奈良県指定の有形民俗文化財でもあります。
存在感ある傘堂。
当麻寺から二上山の登山口を目指し、坂道をてくてく歩いて行きます。
二上山の雌岳に通じる坂道を登って行くと、途中右手に當麻病院が見えてきます。さらに歩を進めると、正面に當麻山口神社が鎮座していました。
當麻山口神社の道路向かい側に傘堂はあります。
傘堂には、古来よりぽっくり信仰が伝わります。
年を重ねても下の世話になることなく、周囲に迷惑を一切掛けず、ある日突然”ぽっくり”と往生することができる。四苦の一つである「死苦」から逃れることができる。そんな信仰が語り継がれています。
傘堂の傍らに案内書がありました。
傘堂の歴史に関しては、古文書にこう記されています。
傘堂は1674年に建立されており、郡山藩主の本多政勝の位牌堂である~ とのことです。
「ぽっくり」という言葉から、斑鳩にある吉田寺(きちでんじ)を思い出します。
ぽっくりと極楽往生を遂げる。
人々の極楽往生への思いは、今も昔も変わらないんですね。
当麻寺の境内。
中将姫の像が建っています。左側が講堂、右側が金堂です。当麻寺から傘堂までは歩いてアクセスすることができます。
当麻寺参詣の折には、是非傘堂まで足を運んでみたいものですね。
曼荼羅、西方浄土、極楽往生などのキーワードが見事に一つに連なってきます。
日が昇る三輪山、日の沈む二上山。
大和の織りなす歴史風土が蘇ります。