當麻寺を参詣。
當麻寺は二上山の麓にあるお寺で、境内からは来世の極楽往生を願う人々の思いが伝わって参ります。
當麻寺仁王門。
にらみを利かしているのは、阿相の仁王像。
仁王門からは額縁で切り取ったように二上山が見えます。
門というのは不思議ですね。法隆寺の南大門からも、日本最古の五重塔が垣間見えて美しい光景を醸し出しています。”絵画”として立派に成立しています。四角い門の空間がなせるワザですね。
當麻寺の本堂には、當麻寺のご本尊である當麻曼荼羅が安置されています。
ほとんどのお寺では、金堂に仏像が数体あって、その中の一つの仏像がご本尊であることが多いと思われます。
ところが、ここ當麻寺では、ご本尊が仏像ではなく、縦横4m四方の曼荼羅なのです。
當麻寺ゆかりの中将姫が、観音菩薩に蓮の糸で織らせたと伝えられる曼荼羅がご本尊とされています。
日本広しと言えども、描かれた曼荼羅が本尊になっているのは當麻寺だけだと思われます。
中将姫が蓮糸を採取した池が、角刺神社の横に水を湛える鏡池です。
当麻寺の拝観料
本堂(曼荼羅堂)の受付で拝観料の500円を支払い、中へ通されます。
本堂内陣に入るや否や、曼荼羅をはじめとする當麻寺の案内が録音テープで流されます。
須弥壇も実に立派で、国宝に指定されているとのことでした。向かって右側には、中将姫29歳の時の像も安置されています。
仁王門に建つ仁王像は阿吽の呼吸で知られます。
當麻寺の印象は、全体的にごちゃごちゃしているなという感じでした。
金堂や講堂の中の仏像も拝見させて頂きましたが、ドカンと大きな仏像が数体置かれているだけの素朴さ。
録音ガイドテープが流れて、仏像ファンにはとても分かりやすい内容だと思います。
そう思う反面、一方では静かに仏像と相対したい願望も残されます。
金堂の中には、創建当初のご本尊であった弥勒仏坐像が安置されています。
その弥勒仏坐像を守護する四天王立像は、頬から顎にかけてヒゲを生やしており、えもいわれぬ異国情緒が感じられました。
當麻寺には真言宗と浄土宗の二つの宗派が入っています。
當麻寺のどこか庶民的で、俗っぽい雰囲気は、宗教の歴史的な懐の深さによるものなのかもしれませんね。