明日香村上居の立石

明日香村上居(じょうご)にある立石を見学して参りました。

結界石とも伝わる立石ですが、明日香村には幾つか残されています。亀石や酒船石など、謎の石造物が多い飛鳥の地にあって、立石が存在している理由も実はよく分かっていません。甘樫坐神社境内にある豊浦の立石を初めて見た時は、その大きさに圧倒されたものです。その点、上居の立石はやや小ぶりでした。

上居の立石

明日香村上居の立石。

立石の右横に案内板がありますが、残念ながら判読不明になっていました。辛うじて Tateishi Stone の英語表記だけは確認することができます。何のために置かれた石なのか、その謎は深まるばかりですね。

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上居の地名由来

明日香村上居は石舞台古墳の東側に位置しています。

奈良を訪れる観光客は、その大半が石舞台古墳止まりです(笑) それより上手の上居エリアに足を向けることはありません。昨今は棚田人気で稲渕地区へ上って行く人はよく見かけますが、多武峰方面の上居エリアとなると途端に人影が途絶えます。

上居の立石

高さ1.9m、幅1.7mの立石。

豊浦の立石は高さが3mですから、一見して一回り小さいことが分かります。

県道155号線

上居の立石へは、石舞台古墳から県道155号線(多武峯見瀬線)を東へ向かいます。

実はこの日の目的地は立石ではなく、明日香村細川にあるという打上古墳でした。その道中で、運良く立石に出くわしたという流れです。予期せぬ出会いは散策の醍醐味でもありますね。

バス停上居

程なく上居のバス停に辿り着きました。

上居(じょうご)。

難読地名の一つと言ってもいいでしょう。他府県の人がすんなり「上居(じょうご)」とは読めないでしょう。奈良県民の私ですら、最初は読み方に戸惑ったものです。

ところで、多武峯の北方に「下居(おりい)神社」というお社があります。多武峰の談山神社を目指して浅古方面から坂道を登って行く際、麓に近い場所に鎮座する神社です。下手にあるから下居(おりい)なんだろうなと思っていましたが、案の定外れではないようです。よく似たケースで飛鳥東南の芋峠には三軒茶屋があり、明治以前は上居(かみい)・中居・下居茶屋と称していたそうです。

上居という地名は高所の村落を意味しているものと思われます。

天武天皇の飛鳥浄御原宮の「浄御」を「ジョウゴ」と音読する説も唱えられますが、いまいち信憑性に欠けるような気が致します。

上居の立石の道標

立石の手前で、今来た道を振り返ります。

車道に突き出すと ”危険” だからなのでしょう、立石を指し示す道標が極端に短い!

この地点から都塚古墳へは300mと案内されていますね。打上古墳からの帰り際、都塚古墳方面へ回り道しました。ここから下って冬野川に架かる橋を渡り、道なりに都塚古墳の前を通り抜けます。

都塚古墳の横穴式石室

都塚古墳の横穴式石室

ピラミッド型古墳としてセンセーショナルに報道された記憶が蘇ります。

石舞台古墳から上居の立石、打上古墳、都塚古墳と徒歩で巡ることができます。時間に余裕のある方は、是非散歩がてら楽しんでみて下さい。

上居の立石と上居集落への坂道

県道155号線からY字形に道が分かれ、左手の坂道を少し上がります。

すぐ左手に立石が見えてきました。さらに登って振り返ると・・・

上居の立石

こんな感じです。

この坂を辿ってさらに上手へ進めば、そこは上居の集落です。集落内には浄土宗の上宮寺があり、聖徳太子ゆかりのお寺と伝わります。

明日香村上居の立石

平べったい立石。

この場所でずっと、上居集落へ行き交う人々を見守り続けています。

明日香村上居の立石

横から見ると底部が分厚く、上へいくほど薄っぺらくなっているのが分かりますね。

飛鳥への入口であり、出口でもある場所に立っています。文字が刻まれていないと、さすがに何のための石なのか分かりませんね。

上居の立石の表面

石の表面には、何やら血管のように浮き出た部分も(笑)

命が吹き込まれている!そんな風に勘違いしてみるのも、また面白いのではないでしょうか。

上居の立石

このままゴロゴロと車道に転げ落ちでもしたら大変ですね。

まぁ、ガードレールが守ってくれるか。

近いうちに岡の立石も見てみたいと思います。立石の中では最も見応えのあるものだと思います。小原の立石、立部の立石なども見ることができます。飛鳥って本当に面白い所ですね。

立石の道案内

申し訳なさそうに案内されています(笑)

ちょこっとだけ突き出て、その方向を指しています。この道標も併せて歴史遺産にしてみたい、そう思わせる可愛らしさがあります。

飛鳥の結界石

真正面から。

何も語らないところがイイですね。

ただひたすらそこに立ち続けている。

日本の原風景が広がる飛鳥らしい名所の一つです。

<飛鳥の謎の石造物>