毎年のことですが、安倍文殊院のコスモス迷路はテープカットによって開園します。
夏休みも終わった9月3日に、日本三文殊の第一霊場として知られる安倍文殊院を訪れて参りました。
開園前のコスモス迷路に行くと、開花しているコスモスはほんのわずかでした。
蕾の状態のコスモスでさえまだ少なく、一面に緑色の映えるコスモス迷路が眼前に広がります。
路線開通を祝うテープカットの歴史
テープカットはどういう場面で行われるのでしょうか。
そもそもテープカットとは、路線開通や新車両の導入など、鉄道シーンでしばしば見られる光景でした。それがいつの間にか、建物の竣工式などでもおなじみの行事として定着するようになりました。
コスモス迷路を上から見渡す展望台に上がると、コスモス迷路を案内する看板が立っていました。
園児によるテープカットで開園します
と書かれています。
地元の園児たちが列を成して、嬉々として迷路に迷い込む姿を想像します(笑)
看板のフィルム写真も一列に並んで、どこか列車のオープニングセレモニーを思わせます。
文殊池に浮かぶ金閣浮御堂の手前にも、わずかにコスモスが咲いていました。
茎や枝葉が細く、いつも風になびいている感のあるコスモス。
そんなコスモスの成長を保護するためなのでしょうか、細いワイヤのようなものが張り巡らされていました。世界各地から集められた約30種類のコスモスが乱舞する境内。今年も安倍文殊院にコスモスの季節がやって参ります。
安倍文殊院の駐車場案内看板。
道路脇の稲穂も実り出し、いよいよ秋の訪れを感じさせます。
安倍文殊院のある奈良県桜井市は、昔から木材の集積場として栄えてきました。今も安倍文殊院の周辺には、木材の匂いが立ち込めています。
コスモス迷路の入口には、横棒が渡されていました。
まだ準備中のため、中には入らないで下さいという意味なのでしょうね。
かつてテープカットは、列車の先頭車両の前で行われました。テープを切って、これから出発する路線のスタートを祝ったのです。安倍文殊院周辺の地元園児たちも、コスモス迷路の前に立って、その出陣式に華を添えることでしょう。
コスモス迷路の前に白いキノコが生えていました。
純白の綺麗なキノコだったので、思わずシャッターを切ります(笑)
展望台からコスモス迷路を望みます。
迷路の大枠が把握できますね。この場所からは金閣浮御堂、大和三山、さらには西の果てに二上山を望むことができます。
ところで、テープカットという言葉は和製英語のようで、英語では ribbon-cutting ceremony と表現するそうです。外国人観光客に説明する時は、違う意味になってしまいますので注意が必要ですね。
展望台にある安倍晴明を祀る晴明堂。
お堂の中に如意宝珠が安置されています。意のままに願い事を叶えてくれるという、不思議なパワーを持つ宝珠です。
私たち桜井市民にとって、コスモスといえば安倍文殊院なのです。秋は奈良の観光シーズンにも当たり、なかなかシーズン真っ只中に安倍文殊院を訪れる機会も少ないのですが、こうやってイベント前の静かな空間に身を寄せてみるのもいいものです。
安倍文殊院手水処の龍。
こうやって真正面から見ると、実に厳めしい姿をしています。
龍頭蛇尾という四字熟語の言葉の意味に納得します。後ろに回って尻尾を確認してみると、なんと先っぽが隠れていました(笑) 龍頭蛇尾とはこのことか、とさらに納得してしまった次第です。
こんな感じ。
まぁあくまでも偶然の産物だと思われますが、印象に残ってしまったのでご紹介しておきます。
コスモス迷路が終焉を迎えると、次は新年に向けてパンジーが植えられます。新年の干支を模ったジャンボ花絵は、年賀状のデザインとしても人気を集めています。
テープカットが待ち遠しい、安倍文殊院のコスモス迷路からお伝え致しました。