馬見丘陵公園に咲くコルチカム。
地面に近い場所から、パッと空に向かって咲くその姿はとても印象的です。初めて聞く花の名前でしたが、これを機に覚えておくのもいいでしょう。ユリ科に属するコルチカムは、英名を autumn crocus と言います。
馬見丘陵公園の中央エリア花の道に咲くコルチカム。
草丈10cmほどの球根植物です。花期は9月~11月で、根も葉っぱも無いままの球根からにょっきっと蕾を出し、淡い紫色の花を咲かせます。いきなり花を咲かせるコルチカムは実に神秘的な植物です。その球根は土に植えず転がしておくだけでも、時期がくると花を咲かせると言います。
コルチカムの花言葉が示す有毒性
実はこのコルチカム、昔から痛風の痛み止めに使われていた特効薬だったのです。
コルチカムの球根にはコルヒチンというアルカロイドが含まれています。特効薬でありながら、その副作用も問題視されており、一歩間違えると死を招く危険性もはらんでいます。
美しいものには毒がある。
よく言われることですが、コルチカムも例外ではなかったということですね。
コルチカムの花言葉は「危険な美しさ」です。
益々妖艶な花に見えてきますね。
別名をイヌサフランとも言いますが、馬見丘陵公園のネームプレートにはイヌサフラン科と案内されていました。地中からすっくと伸びて花を咲かせ、どこにも葉っぱの姿が見られないその様子はどこか彼岸花にも似ています。
私は今回見逃してしまいましたが、馬見丘陵公園にもヒガンバナが咲くようです。開花する場所は中央エリアの上池堤辺りです。お彼岸前後に咲く彼岸花の花期は短く、急いで見に行かないとすぐに枯れてしまいます。
中央エリアの休憩所。
右手奥に花の道のシンボルツリーであるセンペルセコイアが見えています。
センペルセコイアの周りにも、背丈の低いコスモス「ソナタ」やサルビアが咲き乱れています。
ところで、コルチカムという名前の由来ですが、ギリシャ神話に登場する王女メディアの生まれた町・コルキスに発するようです。
こちらは花見茶屋エリアのダリア園に咲くダリア。
月をイメージさせるダリアです。
こちらはさしずめ、太陽を連想させるダリアと言ったところでしょうか。
チューリップフェア、花菖蒲まつり、ひまわりウィーク、フラワーフェスタと年間を通して様々な花が楽しめる馬見丘陵公園。その時期のメインになる花を目当てに訪れるわけですが、今回のコルチカムのように意外な発見があるのも馬見丘陵公園の魅力です。
Dangerous Beauty.
間違っても球根を口にすることのないように致しましょう。
近鉄池部駅から続く緑道エリアにはコムラサキの実も成っています。中央エリア花の道では、11月上旬頃までハナミズキの実も見ることができるようです。
ここは秋空の下、健康ウォーキングのついでに自然にも触れ合える素敵な場所です。