馬見丘陵公園の北エリア内にある池上古墳を見学して参りました。
5世紀前期築造の帆立貝式古墳として知られます。
帆立貝のような形をした古墳と言えば、馬見丘陵公園内の乙女山古墳を思い出します。ハナモモの丘の近くに佇む乙女山古墳は池上古墳よりも一回り大きい帆立貝式古墳です。珍しい形状の古墳とされますが、馬見丘陵公園には複数存在しているんですね。
池上古墳の墳丘図。
堀に囲まれ、埴輪と葺石が並んでいます。北西方向に池上2号墳、北東方向には池上3号墳がそれぞれ案内されています。墳丘図から察するに、三段構造の墳丘のようです。
池上橋を渡って池上古墳へアクセス
池上古墳を見学するためには、馬見丘陵公園の北エリア駐車場に車を停めます。
カフェレストラン、花見茶屋、馬見花苑などのあるエリアで、イベント期間中はいつも賑やかな場所です。私が訪れたのはチューリップフェアが終わった後でしたが、そこそこの人出でした。
池上古墳の外周。
左側が池上古墳の墳丘です。この日は残念ながら、ナラ枯れによる枯れ枝の落下を避けるために立ち入りが禁止されていました。馬見丘陵公園は広大な敷地を誇りますが、ここはほぼ北の端に当たります。
北駐車場に駐車中の大型観光バス。
Ajisai Kanko と車体に書かれていますね。
大阪府堺市に拠点を置く貸切バス会社(あじさい観光株式会社)のようです。
駐車場脇に開花するチューリップ。
赤い縁取りが印象に残ります。今年もナイトクラブをはじめ、様々な品種のチューリップを楽しませて頂きました。馬見丘陵公園のお花畑は必見です。梅雨時の花菖蒲、盛夏の向日葵、秋のダリアと年間を通して園内を華やかに彩ります。
池上古墳周辺地図。
北駐車場から道路上に架けられた池上橋を渡り、大型遊具のあるエリアへと入って行きます。大型遊具の右手にはグラウンドが広がり、その奥に池上古墳の墳丘が佇みます。
子供向けの大型遊具。
かなり長い滑り台が設置されていますね。ここからさらに、右手へと回り込みます。
グラウンドの手前。
犬の散歩禁止を告げる看板が出ていました。グラウンドの向こうに見えているのが池上古墳の墳丘です。
池上古墳の解説板。
池上古墳は、上から見ると円に小さな張り出しがついた形をしています。このような古墳を帆立貝式と呼び、前方後円墳とは区別しています。張り出しは短く低いのですが、全長92mのうち円丘部の大きさは直径が81m・高さは10mあります。全長105mの前方後円墳であるナガレ山古墳の後円部直径は64mですから、池上古墳が規模の大きな古墳であることがわかります。池上古墳の主はなぜ前方後円墳の形にすることができなかったのでしょうね。
確かに前方後円墳と言えば前方後円墳なのですが、明らかに前方部が小さく造られています。
墳丘の裾を伝って歩きます。
ここが入口のようですが、立入禁止の柵が設けられていました。
馬見丘陵公園館による立入禁止のお札。
ナラ枯れですか・・・これは致し方のないことですね。
グラウンド脇から大型遊具の方を望みます。
4月末の太陽光は思ったより眩しく、遮るものの無いグラウンドは相当暑そうでした。
柵の向こうの池上古墳。
墳丘の葺石は二上山麓から運ばれたと伝わります。木棺墓も確認されているそうです。
グラウンド上にお馴染みのわらべ歌が案内されていました。
肥後手まり歌ですね。
余談ですが、船場山(せんばやま)とは熊本城の堀の上にある土塁のことを指すようです。地震による被害から復興が始まったばかりの熊本城ですが、皆で応援していきたいですね。
桜の花がまだ少し残っていました。
馬見丘陵公園では、桜の花見だって楽しむことができます。
徒渉池(噴水)。
川などを歩いて渡ることを徒渉(としょう)と言いますが、小さい子供たちが遊ぶ噴水広場になっています。今はまだ時期ではないのでしょうか、数人の作業員の方々がお仕事なさっていました。
池上橋へと通じる坂道。
なんだか化石を模したような石造物!
池上橋の袂付近に戻って参ります。
徒渉池の傍らには砂場などもあり、子連れのグループで賑わっていました。
馬見丘陵公園に足を運べば、古墳探索も欠かせません。整備されたナガレ山古墳に比べれば、見所に欠ける面も否めませんが、それはそれで原初の姿に近い古墳が楽しめるのではないでしょうか。
池上古墳へのアクセスですが、公共交通機関なら近鉄池部駅より徒歩12分となっています。