犬養万葉記念館でかつて催された柿本人麻呂の「人丸信仰」イベント。
柿本人麻呂は万葉集の歌人として知られ、歌聖とも呼ばれる人物です。
犬養万葉記念館。
入館料は一般300円(団体20名以上は250円)、学生(小・中・高校生)200円 (団体150円)。開館時間 は午前10時~午後5時 (入館受付は午後4時30分まで)となっています。
安産や防火の神様!神格化された柿本人麻呂
柿本人麻呂が歌人として優れているのは誰もが知るところです。
万葉歌人としての優位性は揺らぐことはありませんが、それ以上に歌の世界を飛び越えて広く信仰されていたようです。
柿本人麻呂を祀る柿本(かきのもと)神社は全国に数か所あります。
兵庫県明石市、島根県益田市、それに奈良県葛城市にも鎮座しています。
特に有名なのは明石市の人丸神社(柿本神社)でしょうか。
人丸山の頂上に鎮座しており、歌道の神としてはもちろん、「人生まる(ひとうまる)」に掛けて安産の神としても信仰を集めています。
犬養万葉記念館から徒歩5分ほどの距離にある石舞台古墳。
菜の花が見頃を迎えています。
犬養万葉記念館。
明日香村名誉村民でもあり、万葉集研究の第一人者である故犬養孝氏の業績を顕彰する記念館です。旧南都銀行明日香支店の店舗の外観を残し、内部を改装して平成12年に開館しています。
趣のある外観ですね。
近鉄奈良駅近くにある南都銀行本店とはまた違った風情が感じられます。
犬養万葉記念館の入口。
南天ですね。
日本最古・山の辺の道の道中にも数多くの柿本人麻呂の万葉歌碑があります。
西名阪自動車道の天理インターチェンジの近くには、柿本氏の氏寺であった柿本寺跡があります。その近くには柿本人麻呂の歌塚が建っています。奈良県内にも柿本人麻呂にまつわる名所が多数存在しています。
歌聖と仰がれた柿本人麻呂。
柿本大明神とも呼ばれ、どこか神格化された偶像が浮かび上がります。
火事の多かった江戸時代には、「火止まる(ひとまる)」に掛けて防火の神様としても信仰されていた歴史があります。とどまるところを知らない人丸信仰を感じさせます。
柿本人麻呂は三輪山の麓にも居を構えていたと伝えられます。
万葉集を代表する歌人だけに、JR万葉まほろば線のラッピング列車にもその歌は紹介されています。奈良へ旅行するなら、柿本人麻呂を崇拝する人丸信仰には触れておきたいところですね。