伊勢街道沿いの出雲に鎮座する十二柱神社。
狛犬の台座に目をやると、相撲取りの人形が片方4人ずつで支えています!
健気に重い狛犬を支えていますね。
なぜ相撲取りなのか?
そう、ここ十二柱神社は相撲の始祖と言われる野見宿彌(のみのすくね)ゆかりの神社なんです。
埴輪のルーツにもなった出雲人形
初瀬街道沿いを歩いていると、出雲人形を並べるお店があります。
ふっくらした感じの素焼きの土人形で、お土産物にも最適です。桜井市の伝統工芸品ですが、埴輪の原点とも言われています。
肩の筋肉が隆起していますね。
おしん横綱と呼ばれた隆の里の、あの盛り上がった肩を彷彿とさせます。昔から力士の体は、皆の憧れの的だったのではないでしょうか。相撲は神事であると言われます。その土俵に上がる力士たちにも、俗界を離れた ”神” を感じていたのかもしれません。
力士像の向こうに見えている建物は、出雲農村集落センターです。
出雲農村集落センター。
この並びの拝殿方向には、神社の社務所もありました。
垂仁天皇の前で天覧相撲を取った野見宿彌。
当麻寺の下手にある”けはや塚”で知られる当麻蹴速(たいまのけはや)に勝利した野見宿彌。
野見宿彌は桜井市出雲の出身であると伝えられます。相撲の始祖であり、さらには埴輪の考案者としても有名です。桜井市の伝統工芸品である出雲人形は出雲の集落で昔から作られており、埴輪の原点ではないかとも言われます。
十二柱神社は長谷寺へと続く伊勢街道沿いにあります。
万葉集発耀の地である白山神社と長谷寺の間に位置しています。武烈天皇の泊瀬列城宮跡伝承地にもなっており、歴史の香り漂う静かな社です。
こちらは拝むような格好をしています。
計8体の相撲取り力士像ですが、それぞれに違った表情をしています。じっくり眺めてみると、実に面白いですね。
境内に建つ野見宿彌の五輪塔。
鎌倉時代初期に造られた石塔です。
十二柱神社の社号標です。
「太神宮」と刻む石灯籠も見られます。
愛嬌たっぷりのお相撲さん。
相撲はスポーツである前に神事である。
神様の前に奉納するのが相撲の原点であることを忘れてはなりませんね。
十二柱神社を訪れたなら、大相撲発祥の地である桜井市の相撲神社にも是非足を運んでみましょう。
相撲神社は伊勢街道ではなく、三輪から天理へ続く山の辺の道沿いにありますが、のんびりと古道散策を楽しみながら参拝されてみてはいかがでしょうか?
十二柱神社へバスでアクセスする場合は、JR桜井駅より、桜井市コミュニティバス与喜浦行き「出雲」下車徒歩5分となっています。