宴会を意味する言葉に「直会(なほらひ)」があります。
神社などの祭事の後、皆で神様のおさがりを頂く直会。「なほりあひ」の略とされ、齋み(いみ)から平常に直ることを意味します。宴会の意味をさらに辿っていくと、直会の他にも「とよのあかり」という言葉があることに気付きます。
とよのあかり。
漢字に直せば、「豊の明かり」となります。
「とよ」は美称で、「あかり」は酒を飲んで顔が赤らむことを意味しています。やはり昔の人も、酒を飲むと赤ら顔になっていたのですね。
宴を張る「さかほがひ」
私たちは宴(うたげ)、宴(うたげ)とよく言います。
打ち上げパーティの「打ち上げ」の音変化が、「宴(うたげ)」になったとも言われます。打ち上げ→うたげの変化はなんとなく納得しますね。
古語辞典を紐解けば、その他にも酒宴を開いて祝うことを「酒祝ひ(さかほがひ)」と言っていたそうです。
さかほがひ。
現代ではあまり聞き慣れない言葉ですが、新たな言葉の裾野が広がったような気がします。
とよのあかりには花がよく似合います。
祝いの場にはふさわしいですね。
酒をあがらぬ神はなし。
神事に酒は付き物です。
大神神社は酒の神様と仰がれますが、全国各地にも酒にまつわる神社はたくさんあります。栄(さかえ)という言葉の元になったともされる酒です。節度をわきまえて嗜む酒には、神様への橋渡しの役目があるのでしょう。
とよのあかり。
実に美しい日本語ではないでしょうか。