アルバイトはドイツ語の「仕事」を意味する arbeit に由来しています。
英語にはアルバイトという言葉はなく、part-time job と表現します。夜のアルバイトを moonlighting と言ったりするのも英語特有の言い回しですね。
アルバイト募集中の料理旅館大正楼。
アルバイトの歴史を辿れば、遠く明治時代に遡ります。
明治期の学生の間で、隠語として使用されていたのが「アルバイト」だったのです。外来語を口にすることが、当時の粋な言動の一つだったのでしょう。いつの時代も若者言葉はもてはやされます。アルバイトも当初は、当事者間でしか分かり得ない言葉だったのではないでしょうか。
ドイツ語のarbeiten
ドイツ語の arbeit ですが、本来の意味は「仕事」や「労働」「業績」などが当てられます。
つまり、arbeit には内職や臨時仕事といった意味はありません。それがいつの間にか、書生たちの間で今のような使い方がされるようになりました。当時の学生は家庭教師などに勤しんでいましたからね。”カテキョー”こそがアルバイトの走りだったのかもしれません。
時代は下ってサービス業全盛の時代です。
飲食店でアルバイトをしたことのある人も多いでしょう。
誰しも一度や二度は、ファーストフード店や喫茶店、居酒屋などのアルバイト経験をお持ちではないでしょうか。
ちなみにアルバイトの動詞は、arbeiten (働く)のようです。
アルバイテン、なかなか面白い語感ですね。
働くとは ”傍(はた)を楽にさせること” と聞いたことがあります。働くことの意義を問い始めたらキリが無いのでしょうが、傍を楽にさせると思えば気も楽になります。
働き方改革が声高に叫ばれる昨今。
副業を公式に認める会社も多く出て参りました。細切れの時間を大切に使い、生産活動が活発になることはいいことです。
『世界一訪れたい日本のつくりかた』を著したデービッド・アトキンソン氏は、ドイツ人観光客の受け入れ態勢に注力すべきだとおっしゃっています。フランス人でもイギリス人でもなく、ドイツ人であると。
普段何気なく使っているアルバイトという言葉が、ドイツ語に端を発している。なんだか急にドイツに親近感を覚えるのでした。