数ある魚の種類の中でも、一大ファミリーを形成するスズキ目。
見た目もスマートで格好よく、様々な調理法に使える魚です。鱸(すずき)は雑食性の回遊魚で、春になるとエサの豊富な内海や河口にやって来て猛烈な勢いで色んな魚を食べまくる習性があります。
スズキのムニエル のらぼう菜添え。
オリーブオイルとバターで鱸をソテーし、残った油で野良坊菜(のらぼうな)を焼き付けました。聞き慣れない「のらぼう菜」という野菜ですが、アブラナ科の青菜で西洋アブラナの一種とされます。バターとの相性も良く、美味しく頂きました。
寿命10年の出世魚!目が良く受け口のスズキ
スズキは出世魚です。
一年魚を「せいご」、2~3年魚を「ふっこ」、そして成魚を「すずき」と呼びます。
若い鱸はとても勢いがあり、鮎を追って川を遡ることもあります。スズキは夏の高級魚の代表格ですが、最も脂がのって美味しいのは晩秋のスズキとされます。産卵前の晩秋がスズキの食べ頃です。
鱸(スズキ)。
ヒラスズキよりもスマートですね。尾柄もヒラスズキより細長く、尾びれには切れ込みが見られます。ヒラスズキはもう少し平べったい感じで、体高が高いのが特徴です。
さらにヒラスズキには、スズキのような川を遡上する習性がありません。よく似た魚に、中国大陸周辺のタイリクスズキという種類もいるようです。タイリクスズキには黒い斑紋があるので見分けやすいかもしれません。
産直市場で購入したのらぼう菜。
「森のバター」と書かれていますね。育成期には農薬・化学肥料が使われていません。
塩をして小麦粉でコーティングし、フライパンで焼いています。
ムニエルにもよく合う魚です。
顎の下から髭のようなものが見られます。
目がウルウルしていますね。鱸はとても目が良く、獲物を見つけたら大きな口を伸ばして捕食するようです。
フランスでは「海の狼」の異名があるそうです。
猛烈に魚を捕食する様子から名付けられました。
えらぶたの後方に、鋭い棘のようなものがありますね。釣り人が度々怪我をするという”突起”ではないでしょうか。
スズキの顔にズームイン。
雑食性のため、やや脂にクセがあります。洗いにすることで、適度に脂を抜くことができます。
のらぼう菜は東京や埼玉で古くから栽培されていました。
関東由来の野菜のようです。
スズキの尾びれ。
少しだけ切れ込みがあります。ヒラスズキは真っ直ぐなラインでしたから、尾びれでも見分けることができそうですね。