深海魚のシロカサゴを姿造りにしてみました。
20cmほどの小魚ですので、本来は舟盛りには向きません。煮付けや唐揚げ、味噌汁の具材などに使われる魚です。水揚げされてから24時間以内の鮮魚ということもあり、お刺身で頂くことにしました。
シロカサゴの姿造り。
さすがに新鮮な魚は“刺身”が美味しいですね。
スズキ目フサカサゴ科の深海魚!大きく口を開けて演出
まるで生きているかのように盛り付ける姿造り。
瑞々しい命を吹き込むには、やはり口を開ける演出が欠かせません。シロカサゴの口は魚体が小さい割に大きく、開き甲斐のある口です。
パックリと(笑)
シロカサゴによく似た魚種にアカカサゴがいます。
見た目はほとんど区別がつかず、深海魚漁師の中でも特に仕分けることはないようです。その点、オオメハタとワキヤハタの関係にも似ていますね。
おろし方は大名卸しでもいいでしょう。
今回は丁寧に三枚おろしにしました。
カサゴの仲間らしく、頭の大きい魚です。
前方のエラブタから3本の棘が出ています。判別の難しいアカカサゴは2本のようですので、見分け方のポイントとして覚えておきましょう。
確かに三本の棘が確認できます。
全体的にゴツゴツしており、小骨の気になる魚です。丸ごと唐揚げにすれば、骨を気にすることなく食べることもできます。煮魚で食した後などは、そのままアラにお湯を注ぎ「骨汁」として頂くのもおすすめです。
余すところなく頂きたいですね。
せっかく頂いた命ゆえ、大切に処理するのが私たちの役目です。
世界はサスティナブルな方向へと舵を切っています。
外道、未利用魚として見向きもされなかった魚たちにスポットライトが当たります。とてもいいことだと思います。食べ方さえ工夫すれば、利用価値のある魚も多いことに気付きます。
西伊豆の戸田漁港直送便は色々なことを教えてくれます。
既に今シーズンも発注致しましたが、まだ当館に入荷していない魚もたくさん存在します。ヒウチダイやハシキンメ、アカタチ、ツボダイ、ギンザメ、カナド、カナガシラ、フウライカマス、ギンメダイ、サンゴイワシなどもいつか試してみたいと思います。