夢のある食材です。
カサゴ目フサカサゴ科ユメカサゴ属の夢笠子(ゆめかさご)。
ユメカサゴの目は、太陽光でギラギラとグリーンに反射するようです。夢を見ているようだからユメカサゴ。的を得たネーミングですが、是非一度その目を見てみたいですね。おそらく底引き網から引き揚げられた時に光るのでしょう。
ユメカサゴの唐揚げ。
左がユメカサゴで、右はシロカサゴです。
小さい魚は丸ごと頂くに尽きます。一尾一尾三枚おろしに処理するのは大変です。今回は内臓やエラは抜きましたが、そのままでもいいと思います。唐揚げにするにはもってこいの食材ですね。
二度揚げ!骨ごと食べるユメカサゴ
骨が気になる方は、”開き身”にしてから揚げてもいいでしょう。
ただ、個人的には身を開くまでもないと思います。”一尾丸ごと”にこそ、ユメカサゴの価値を感じています。今回入荷したユメカサゴは、シロカサゴよりも少し小振りでした。
戸田漁港直送のユメカサゴ。
手に乗るサイズの個体です。カサゴの仲間だけに、えらぶたには棘も見られます。赤い魚はいいですね、それだけで見栄えがします。一昔前に流行った”インスタ映え”する魚だと思います。陸上では目立つ色ですが、深海では隠れ蓑になる色合いのようです。
手前がシロカサゴ、向こう側にユメカサゴ。
揚げたてが一番です。身はもちろん、鰭や骨もバリバリと頬張ります。香ばしいお菓子を食べているようで、とても美味しかったです。
レンコダイ(黄鯛)とユメカサゴ。
レンコダイも可愛らしいサイズでしたが、それに輪をかけて小さな個体です。ユメカサゴは水揚げ量もさほど多くないようで、全体的に数が揃わないのでしょう。市場に出回らない理由も幾つかあると思いますが、希少性も大きな理由の一つだと思います。さらに小魚とくれば、歩留まりの問題も出てきます。
様々な理由で未利用魚となるユメカサゴ。
しかし、よく考えてみれば「規格外」としてその”規格”を作っているのは人間サイドです。私たちが変われば、魚の末路も変わるのです。
貴重な未利用魚たち。
左上からヒメ、ヘリダラ、アオミシマ、ミドリフサアンコウ、シロカサゴ、ヨロイイタチウオなどが並びます。
笠子の丸揚げを豪快に平らげましょう!
丸ごと食べれば、不思議と心もスッキリします。
なぜでしょう?おそらくどんな食材でも、丸ごと食べるのが本来のあり方なのかもしれません。ちなみにこのユメカサゴ、水族館などではじっとして動かないようです。そのため、あまり人気がないのだとか(^-^; 戸田漁港配信の動画で紹介されていました。