冬の焼き魚料理といえば、やはりコクのある味わいの幽庵焼きがオススメです。
そこで今回、個室宴会の予約が入った際に幽庵焼きをお出し致しました。食材に使う魚は、冬の味覚の王者とも言われる寒ブリです。
鰤の味噌幽庵焼き。
幽庵焼きという料理名は、滋賀県の江州堅田の茶人であった北村幽安に由来しています。食の感覚に優れていた北村幽安にちなんで、幽庵焼きという名前が使われるようになりました。
柚庵焼きの作り方!神の舌を持つ北村幽安
幽庵焼きには柚子を使いますので、「柚庵焼」と書くこともあります。
暑い夏に食べる焼き魚は塩焼きが一番美味しいと言われますが、寒い冬にはこってりした幽庵焼きがおすすめです。
大正楼客室から雪の降り積もる中庭を望みます。
幽庵焼の漬け地には醤油、みりん、酒をそれぞれ1対1対1に合わせたものを使います。そこに爽やかな香りの柚子を入れるわけですが、漬け地の割合に関しては様々な配合があっていいでしょう。
醤油、みりん、酒の割合を5対3対2にするのがいいという方もいらっしゃいます。漬け込む時間に関しても2~3時間でいい、あるいは半日、1日たっぷりと漬けた方がいい等々、色々な意見があります。魚の種類や味の好みなどを考慮しながら調節してみるといいのではないでしょうか。
今回は海老も柚庵地に漬け込んで焼いています。
奈良特産の大和まなを添えます。
個室宴会のお客様にお出しした幽庵焼きは、通常の柚庵地に味噌を溶いて、さらにコクを増した幽庵焼きです。
焼く時はさすがに強火では焦げてしまいますので、じっくりと中火から弱火ぐらいを意識して焼いていきます。程良く色の付いた鰤の味噌幽庵焼きが食欲をそそります。
客室の周りに巡らされた回廊。
北村幽安の味覚に関するエピソードが幾つか残されていますが、その中でも琵琶湖の水の味を的確に味わい分けたお話は有名です。
お茶を立てるのに琵琶湖の水を使っていた北村幽安。
水を汲む場所をその都度指定して、下僕に汲ませていたようです。ある日のことその味に疑念を覚えた幽安。そこで幽安が指摘したところ、案の定、下僕が別の所の水を汲んで来たことが分かりました。その汲んで来た場所まで言い当てた幽安の舌は、誤魔化しの効かない神のようなセンサーとして今に言い伝えられています。
お座敷での個室宴会は、しっぽりとした時間をお楽しみ頂くことができます。
春の歓送迎会のシーズンにも、少人数の個室宴会が人気を博しています。
当館の二階は大広間になっています。
大人数の座敷宴会もご予約頂けますが、昨今では会社全体ではなく、部署単位や小グループでのご宴会が増加傾向にあります。時代の流れに沿い、気の合う仲間同士での個室宴会も準備万端にご用意してお待ち申し上げております。