夏は桃の季節です。
まだ梅雨前ではありますが、極早生品種の姫小夏(ひめこなつ)を購入しました。ひめこなつを涼し気なゼリー寄せにして頂きます。
冷蔵庫にはクリームチーズと無糖ヨーグルトが余っていたので、大和茶と合わせてみました。
大和茶チーズケーキと姫小夏のゼリー寄せ。
チーズケーキの下層はココアです。チーズケーキの塊を少し残す形で仕上げます。
果汁多し!糖度の高い極早生ひめこなつ
産直市場のまほろばキッチンで季節の野菜を物色していると、見慣れない桃を発見しました。
桜井市のマスコットキャラクター・ひみこちゃんが微笑みかけるパッケージに思わず足を止めます。いつもお世話になっている森岡祥章観光果樹園さんが栽培した桃のようです。
お造りのツマに使った飾り切り。
とんぼ人参、わらび大根、さざ波胡瓜を並べます。
姫小夏(ひめこなつ)。
小振りの桃で、表皮には黄色い絣模様が入っています。
半分に切ると、黄色い果肉が出てきました。
黄肉品種のようで、薄くて小さい核が付いていました。果汁の量が多く、じゅるじゅると溢れ出ます。糖度も12%を超え、そのまま食べてもとても美味しい桃です。
グラニュー糖をまぶして火にかけ、レモン汁を垂らして粗熱を取ります。
今の季節は枇杷も美味しいですね。
梅干し作りの青梅も出回り、もうすっかり夏の装いです。
産毛がびっしりと付いています。
桃ならではの特徴ですね。
桃の産毛を見ていると、つい”気配”のことを思い出します。毛(け)という漢字を二つ並べると、ひらがなの「もも」のように見えてきます。「毛毛」、なんだか不思議ですよね。
古来より桃は魔除けに使われたと言います。
纏向遺跡出土の桃の種は、卑弥呼が呪術に使用したのではないかと言われます。黄泉の国から逃げ帰ったイザナギは、追手を追い払うために”魔除けの桃”を投げ付けました。さらには陰陽師・安倍晴明を祀る京都の晴明神社には、「厄除桃」と呼ばれる桃の像があります。
余談になりますが、「気配(けはひ)」の「はひ」は、「味わい」や「幸(さき)はひ」と同じでその状態が長く続くことを意味しています。その場の空気を読むのが得意な日本人は、髪の毛や体毛を逆立てながら何かを察知していたのかもしれません。
桃のパワーやいかに!?
森岡さんのひめこなつ。
山の辺の道沿いで果樹園を経営なさっています。
ひめこなつは梅雨を迎える前に収穫されます。
長雨の影響を受けないためか、食味も良好です。
桜井市の観光振興においても、桃はテーマ食材の一つになるでしょう。古代の桃は小さかったと言います。ひめこなつも小振りですから、少しは観光寄りの食材と言えるのではないでしょうか。