Facebook で外国の方に教えて頂いた英語。
「息を吞むような、ハッとするような」を意味する breathtaking という形容詞ですが、私たち日本人にもダイレクトに届く言葉ではないでしょうか。何かを見てハッとする機会もあまりありませんが、東大寺の大仏、天理教教会本部の建物内、益田岩船などは未だに驚きを持って凝視してしまいます。そのどれもが迫力に気圧される存在です。
謎の巨大石造物・益田岩船。
何の目的で造られたのか、様々に語り継がれるミステリーストーンです。人気(ひとけ)の無い山中に、突如として現れる巨岩だけに見る者を圧倒します。これぞまさしく、breathtaking stone !
息を吞むような巨岩!『大和名所図絵』の益田岩船
江戸時代の名所旧跡を案内する大和名所図絵。
一昔前の奈良県内の景勝地が描かれ、歴史ファンの間でも人気があります。昔の人も間違いなく、益田岩船のスケールの大きさには驚いたことでしょう。
『大和名所図絵』に描かれた益田岩船。
岩船の周りの ”人のサイズ” を見ると、いかに巨岩であるかが窺えます。今は竹林に囲まれていますが、当時はもう少し開けた場所にあったのかもしれませんね。
そもそもこの breathtaking という単語に出会ったのは、フェイスブックに投稿した大神神社の大注連縄が発端でした。年末に掛け替えられる巨大注連縄の写真をアップしたところ、以前にご宿泊頂いたアメリカ人のお客様からコメントを頂いたのです。
The size of the rope/garland is just breathtaking.
なんだかとても嬉しくなりました。
心温まるメッセージのやり取りができる素晴らしいツールだなと今更ながらに思います。
工具を入れた跡なのでしょうか。
岩肌にもスケールの大きさを感じます。
英和辞典を引けば、前後の単語にも目が行きます。breathtaking の一つ前には、breathless という単語があります。同じく形容詞で、「息を切らした、息を殺した」などの意味があるようです。例文紹介には、watch with breathless attention (固唾をのんで見守る)と出ていました。
益田岩船はいわゆる観光地ではありません。
大体岩船と対峙するときは一対一です。他に観光客の姿は見当たりません。そのため、畏怖の念も手伝ってか自ずと息を殺してしまう自分がいます。
益田岩船の周辺地図。
近鉄岡寺駅を下車し、牟佐坐神社~沼山古墳~益田岩船~小谷古墳と辿るコースが案内されています。益田岩船周辺にはこれといった駐車場がありませんので、徒歩で行かれることをおすすめします。