結婚記念日のご旅行で、久しぶりに奈良にお越し頂いたお客様にお出しした赤イサキの刺身。
大神神社で結婚式を挙げられたご夫婦には、今も大神様の懐に抱かれたような ”幸せオーラ” が感じられました。
まるで金魚のように華やかな赤イサキ。
とても淡白な白身の魚ですが、その見た目のインパクトは絶大です。
結婚記念日にハタ科の赤イサキが入荷
実際に山口県の下関辺りでは、赤イサキのことを「キンギョ」と呼んでいるようです。ご存知のように奈良県大和郡山市は金魚の養殖で知られますが、品種改良された新種の金魚ではないかと見紛うほどの鮮やかさです!
背びれに黒い斑紋が見られますね。
この斑紋が見られる赤イサキは雄とされます。
雄の方が雌よりも市場価値が高いようで、華やかさでも雌に勝っています。その華やかな模様でメスを誘うオスの孔雀の姿が頭をよぎりますね。人間はメスである女性の方がおめかししたりするものですが、動物の世界ではその逆のパターンが多いようです。
アカイサキの刺身。
真ん中に盛っているのがヨコスジフエダイで、その左側に添えているのが赤イサキです。
赤イサキは「イサキ」とは言っても、分類上はスズキ目ハタ科ハナダイ亜科に属します。そう、ハタ科の魚なんですね。
赤イサキの尾びれ。
尾びれにも少し黒い模様が入っていますね。
背中側が赤くて、腹側は薄いピンク色をしています。
大正楼大広間の掛け軸。
お客様が当館二階の大広間で結婚披露宴をされてから、早20年の歳月が流れ去りました。こうやってまた、三輪山の麓に戻って来て頂けるのはとても有り難いことです。
下あごが上あごよりも前に突き出していますね。
心なしか目も少し外に飛び出ているような(笑) これは益々、金魚の出目金を想像させます。
実にあっさりとしたお味の刺身です。
皮に焼き目を付ける皮霜造りにしても良かったかなと思います。
脂肪分があまり感じられない点から言うと、体にも優しい魚ではないかと思われます。その美しい姿から、市場での価格も比較的高値で安定しているようです。祝い事に紅白は付き物ですが、赤イサキの赤に、淡白な白身はそっくりそのまま祝宴向きと考えても良さそうですね。
ご宿泊の翌朝に三輪山を登拝されて、その足で山の辺の道を北へ辿り、JR天理駅から帰路へ着かれました。
数あるアニバーサリーの中でも、結婚記念日には特別な感慨があります。一年に一度巡って来る結婚記念日ではありますが、心も新たにスタートが切れる最高の日にしたいものですね。
深い岩礁域に棲息しているとは思えない華やかさです。
ほとんど入荷することのない魚ではありますが、幸運な巡り合わせに感謝致します。