5年前の3月末日、大神神社にて十二単の結婚式が執り行われました。
数ある婚礼衣裳の中でも、一際その格式の高さで知られる十二単。結婚式当日は幸いにも素泊まり予約のお客様のみだったので、全ての時間を十二単の結婚式に捧げることができました。
料理旅館大正楼の玄関先に十二単の履物が用意されています。
大神神社へのご出発を前に、当館の客室に於いて着付けとメイクが施されました。いよいよその時を待つ緊張感が伝わって参ります。
十二単の着付け風景と記念撮影!凛々しい束帯と雅なおすべらかし
新郎の束帯に、新婦の白無垢十二単。
凛々しく決まった新郎様の横に清楚な新婦様が寄り添います。
実に絵になる幸せカップルでした。
控室・美粧室としてご利用頂いている大正楼の客室で着々と準備が進められます。
おすべらかしの後ろ髪は結構長いんですね。十二単の白無垢を拝見させて頂き、一瞬空気が止まったように感じられました。
毛氈(もうせん)を敷いて、部屋を替えての写真撮影。
十二単専門の着付けの先生にもお越し頂き、見栄えを良くするための最終チェックが入ります。撮影場所は当館でも最も歴史のある、大正時代からの客室です。プロのカメラマンの先導によって、照明等の場作りが進められていきます。
やはりこうやって見ると、雛壇のお雛様を思い出してしまいますね。
この後、新郎様やご親族の皆様方も加わっての集合写真が撮られました。一生の記念に残るお写真を、当館の客室に於いてお撮り頂いたことを、この場を借りて深く御礼申し上げます。
十二単の束帯。
机上のコップが妙にリアルです(笑) 新婦様にばかり目が行きがちですが、新郎様の婚礼衣裳もこれまた優雅な束帯姿。直立不動で、新婦様の着付けのご様子をご覧になられているのが印象的でした
おすべらかしの髪留めに用いられる釵子(さいし)。
釵子(さいし)を紫の縒り糸と三本の簪(かんざし)で留め、額櫛(ひたいぐし)を付けます。さらに後ろに流した髪は四箇所で結ばれます。紫色は高貴な色とされます。お寺などでよく見られる五色幕の紫は、あらゆるものを完成に導く智慧を表すとされます。頭に紫、神仏の境目を超えた紫色の持つパワーのようなものを感じます。
花嫁かつらであるおすべらかしの梱包。
着付けの方にお伺いすると、この上にすっぽりとおすべらかしを載せて梱包するのだそうです。婚礼衣装の一部は、既に結婚式の前々日に宅配されていましたが、当日お車でお運び頂いた荷物も相当数に上りました。
中型タクシーを3台手配して、いざ結婚式会場の大神神社へご出発です。
新婦様からも十二単の移動に関してご相談があったのですが、どうやら後部座席が上下に開閉する寿タクシーでなくても、普通の中型タクシーで間に合うようです。
幾重にも重なる十二単の婚礼衣裳。
婚礼衣装のレンタルで頭を悩ませておられる方も多いかと思われます。大神神社の結婚式に十二単を着る、そんな選択肢もあることをお知らせしておきたいと思います。
大神神社拝殿横の石段を介添えと共に上がっていきます。
俗界と神界を隔てる注連縄の向こう側は、和魂を祀る大神神社の拝殿です。
今年は巳年。
いつお参りしてもお神酒と卵がお供えされている巳の神杉も目の前に迫ります。
十二単の履物は船の形にどこか似ています。
舳先を大海原に向けて、いよいよこれから船出です。
着付けの先生にお伺いすると、指で示しておられる場所がミソなんだそうです。
他の人には真似のできない十二単の白無垢の真骨頂です。
大神神社の斎庭に入り、記念撮影のポーズを取ります。
まるで尾長鳥を思わせる出で立ちですね。
巳の神杉の前を通り、厳かな結婚式の執り行われる儀式殿へと向かいます。
思いの外写真撮影に時間を割いてしまい、急ぎ足で本番の行われる挙式会場へと足を運びます。
その前に、大神神社拝殿に一礼。
大神様の御加護の元に、お二人の末永いお幸せをお祈り申し上げます。
拝殿向かって左横にある到着殿にご到着。
ここまでご一緒させて頂きましたが、私はお料理の準備のため一旦帰らせて頂きました。
十二単で寿ぐ大神神社の結婚式レポートでした!