奈良県中南和エリアの夏の風物詩。
すっかりその人気も定着した感のある風鈴まつりが、橿原市おふさ観音で開かれています。
四方を山に囲まれた奈良盆地の夏は蒸し暑い!少しでも涼を取るために様々な工夫が凝らされています。
ウサギに月のデザインを見ていると、真夏でありながら秋を感じさせますね。
仏法僧の三宝を守護する竈の神様
この辺りで三宝荒神と言えば、桜井市の笠山三宝荒神を思い出します。
かまどの神様として信奉される神社で、大祭の日には数多くの参拝客で賑わいます。ぼけ封じや健康祈願で知られるおふさ観音ですが、境内には三宝荒神も祀られていました。
おふさ観音の三宝荒神堂。
本堂向かって左手前に位置しています。
三宝荒神の解説。
三宝荒神さまは、仏・法・僧の三宝とお寺をお守り下さる神様です。
不浄を嫌われる神様なので、かまどの神様としても拝まれています。火難除去(火事除け)・厄除けをお祈り下さい。
三宝荒神の真言は、「おん けんばや けんばや そわか」のようです。
仏法僧の三宝を守護する神様で、宝冠を戴き三面六臂の姿をしていると言います。その表情は怒りの相で、お房観音の三宝荒神も怒りの形相なのかもしれません。お堂の中をのぞいてみましたが、残念ながらよく確認できませんでした。
歌川広重 東海道五拾三次『吉原 左富士』(浮世絵のアダチ版画より)
ところで、この特殊な馬の鞍も「三宝荒神」と言います。
鞍の左右に枠、または箱のようなものを付けて三人乗りに設(しつら)えています。これは便利ですね。おそらく左右の枠には、比較的体重の軽い人が乗ったのでしょう。両サイドの格子枠に荷物を載せるというのもアリですね。
絵に描かれた乗馬風景を見れば、確かに三つの顔と六本の手が揃い「三面六臂」であることが分かります(笑) おそらく当時から、三面六臂のシンボルが三宝荒神だったのではないでしょうか。
涼しげな風鈴の音に身を委ねながら、そんな歴史を想ってみるのでした。
おふさ観音の風鈴でクールダウンしてみて下さい。
境内に所狭しと風鈴が並んでいます。