奈良県庁玄関ホールに東の守護神・持国天が展示されていました。
平城宮跡の大立山まつりで活躍した四天王とのと久しぶりの再会です。須弥山の四方を守護する四天王ですから、持国天の他にも増長天、広目天、多聞天がいます。ところが、奈良県庁に展示されていたのは一体のみでした。
奈良県庁玄関ホールに展示される持国天。
玄関ホールの壁材には地元特産の吉野杉が使われています。
樹齢250年以上の赤身の柾板に不燃処理が施されているようです。美しい吉野杉に囲まれ、勇壮な格好で睨みつけます。その手前の五角形の椅子もいいですね。台形の座面を5つ組合せ、巧みに形成されています。
甲冑を纏い、仏法を守る持国天立像
なぜこの場所に持国天がディスプレイされているのだろう?
そう言えば、ここは平城京から見て東に位置しています。東の守護神・持国天が奈良県庁に展示されているのも、適材適所ということなのかもしれませんね。
邪鬼を踏みつけて睨みを利かせる持国天。
奈良県庁の屋上庭園に行くのが目的だったのですが、思わず立ち止まってしまいました。近くにいたガードマンの方にお伺いしたのですが、やはり他の四天王は違う場所に展示されているようです。
吉野杉刻字。
川上村在住の書家・土井一成氏から寄贈されたものです。「精励恪勤」と達筆で刻まれています・・奈良県の産業を象徴する吉野杉が、その美しい木目を披露しています。
奈良の鹿が持国天の御前に(笑)
記念撮影スポットになっているのでしょうか。椅子の背もたれの木目も実に綺麗ですね。
踏みつけられる邪鬼。
首をもたげて、何とか起き上がろうとしています。
それを許さぬ四天王。
鮮やかな彩色に目が奪われますね。
有名社寺で拝観する四天王は皆、既に色褪せてしまっています。当然のことではありますが、造像当時は色鮮やかだったのです。そのことを気付かせてくれる四天王の山車は、現代への橋渡しです。
持国天前に置かれた「吉野杉刻字」に近づいてみます。
それにしても綺麗な木目ですね。写真を見返すだけで、いい匂いが蘇ってきそうです。
一級品の吉野杉に囲まれ、持国天もさぞご満悦のことでしょう。
冬の風物詩として期待される大立山まつりですが、寒さ対策が一つの課題として残ります。あったかもんグランプリで多少は緩和されるのですが、それでも寒い!というのが本音です。周囲には何もなく、だだっ広い平城宮跡で行われるイベントですから、ある程度は致し方のないことなのかもしれませんが(笑)
県庁の持国天は、真冬に見上げた四天王とはまた違った趣を感じさせます。